開催挨拶

実行委員長挨拶

新関三希代 同志社大学副学長・教育支援機構長

2020PCカンファレンスは,8月18日(火)から20日(木)まで,同志社大学京田辺キャンパスにて開催されます。テーマは「産学共同で切り開くこれからの教育・学習」です。本学でPCカンファレンスを開催するのは,1997年に「学習者中心の教育とコンピュータ&ネットワーク」とい うテーマで開催して以来,実に23年ぶりとなります。

今回のテーマは,未来を担う人づくりのためにはこれまでにない産業界と大学等学校が協力共同して,新たな教育プログラムや教材,学習環境を開発・提供することが求められることから設定されたものです。

産学が共同して行う教育については,従来からその重要性が指摘されており,多くの大学で様々な形で実施されています。直近の高等教育無償化との関連で新たに検討を進めた大学も多いのではないでしょうか。

同志社大学においても企業との共同研究は盛んであり,多くの寄付講座が開設されています。この流れをさらに進め,2019年度には大学全体として株式会社大和総研と包括的な教育研究協定を締結し,1.学生のキャリア開発,2.学生のデータサイエンス教育,3.社員の教育プログラムの実施,4.新たな共同研究の創出を共に推進しています。さらに大学院レベルでは,2020年度から高等教育研究院に設置される研究科横断型の副専攻プログラム(Comm 5.0 AI-データサイエンス副専攻)において,企業との共同研究を通じた大学院生の実践的な教育の試みが開始されようとしています。

しかしながら,現状の産学連携,特に教育面においては多くの課題があります.インターンシップ,企業講師によるオムニバスな知識提供等を正課の単位として認定することに懐疑的な意見が多いのも現状です.

近年,産業界からの要請もあって,大学のリテラシー教育が変わりつつあります.知の創造や文化の継承と同時に人物を育成する組織としての大学の役割と社会の要請に応えるという組織としての大学の役割は矛盾するものではありませんが,時代や社会情勢の変化によって柔軟な対応が求められています.

本年度のPCカンファレンスでは,先進的な産学連携の取り組みを行っている事例を紹介していただきながら,より本質的な産学共同による研究・教育について考える機会になることを期待しています。