開催挨拶
実行委員長挨拶
若林靖永 CIEC会長理事・京都大学経営管理大学院経営研究センター長
2021PCカンファレンスは、8月20日(金)から23日(月)の4日間に完全にオンラインで開催されることになりました。昨年のPCカンファレンスは同志社大学を開催校として開催されましたが、広がるコロナの中でオンラインでの実施に切り替えて実施しました。今年に入ってもまだなかなか現地開催の見通しが立たない中で、今年のPCカンファレンスもオンラインで開催するということで企画の準備をすすめています。したがって、対面であれば開催校現地に3日間連続の企画に集まって参加していただくという形態でしたが、オンラインですので3日間連続であることもありませんので、これから実際の企画とタイムテーブルを柔軟に具体化していく予定です。
今回のテーマは「ニューノーマル時代の教育・学習」です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大(パンデミック)は明らかに人類にとって脅威であり、私たちは多くのことを体験し、そこから学ぼうとしています。この脅威から(まだ現在進行形ですが)学ぶべきであるという意味から「ニューノーマル(新常態)」という提起がされています。私たちは、今までの考え方ややり方を大きく変える必要があるでしょうし、まさにこれまでの「ノーマル」、常識、正しいとされていたあり方というものが、否定され、新たな常識というものを生み出し移行することが求められています。このことは、社会のあらゆる領域で求められている課題であるわけですが、もちろん教育・学習領域にも適用されます。
オンライン教育やコンピュータ支援教育はこれまでもすでに研究・実践されてきましたが、大学ではすべての大学・教員・授業科目で、小中高校では一部の取り組みとして、圧倒的に広範囲で取り組まれることとなりました。これまで対面・アナログで授業を行ってきた教員も、オンデマンド講義を収録提供する、ウェブ会議システムを使用して双方向のオンライン授業を行う、学生のレポートや質問などを授業支援システム等で対応する、など、受講学生とともに試行錯誤悪戦苦闘しながらすすめてきました。受講学生からはオンライン教育での学びを評価する意見も少なくありませんが、不満もあり、特に新入生はキャンパスでのふれあい、友人づくりなどにつながらないことでの問題、学生の家庭等でのデジタル環境による格差といった問題なども浮かび上がりました。私たちは、オンライン教育というものをいやが応も無く挑戦体験したわけですが、それを受けて未来の教育・学習をどうデザインするかが問われています。
本年度のPCカンファレンスは、以上のようにコロナ禍の中で私たちは何を学び、何に挑戦していくのかということについて広くみなさんとともに学び交流する場として開催したいと思います。残念ながらリアル対面でのレセプションなどの企画はご提供できませんが、多くのみなさんのご参加、学び合い・語り合いを楽しみにしています。