口頭3-C-42024年8月18日(日) 16:30 - 16:55会場:1号館109
共通テスト「情報」プログラミング問題の解決に必要な知識ー発話プロトコル分析ー
- 発表キーワード
- 大学入学共通テスト
- 情報
- 認知的課題分析
共通テスト「情報」のプログラミング問題の解決にどのような知識が必要なのか,公開されている「試作問題」の発話思考プロトコルの分析によって検討した。最初に,大学教員1名によるプロトコルから、この問題の解決に使われた手続き的知識を推測し,それらをプロダクション・ルールの形式で表現する認知的課題分析を行った。問題解決に使われたと推測される知識は,日常生活に由来するもの,プログラミング領域固有,汎用的な推論,に大別された。次に,大学生12名がこの問題の解決に取り組んだ。ここで得られたプロトコルからは,認知的課題分析での想定とは異なる知識の使用は認められなかった。解決が困難となったときには,認知的課題分析に基づいて作られたヒントが問題解決の助けとなった。共通テストが測定すると称している「思考力」「判断力」「表現力」は、それほど複雑ではない手続き的知識の適用であることが示唆される。