口頭3-B-22025年8月22日(金) 15:30 - 15:55会場:202

講義の分野別聴解教材の開発―条件表現に着目して―

日比 伊奈穂(大阪大学日本語日本文化教育センター)

発表キーワード
分野別講義聴解
条件表現
web教材

講義ではさまざまな分野で、条件表現を用いて、条件とその条件の下で成立することが述べられる。講義の聴解には条件の理解が重要であるが、日本語学習者は条件を正しく理解していないことがある。そのため、講義で条件表現を正しく聞き取れるようにするための聴解教材を開発した。この教材の特徴として、理科系分野の講義と文科系分野の講義を分けていることが挙げられる。講義で用いられる条件表現は分野によって使用に差がみられる。Open Course Wareなどで公開されている講義を文字起こしして調査を行ったところ、文科系の講義では「ば」「たら」が多く用いられるのに対し、理科系の講義では「と」が用いられることがわかった。また、逆接条件を表す「ても」は文科系講義では使用されるが、理科系講義では使用が少ない。本発表では、こうした調査結果を踏まえて作成した教材の特徴と、その作成過程について具体的に述べる。