口頭2-A-22025年8月22日(金) 10:00 - 10:25会場:101

AI翻訳・生成は自分の言葉になり得るか?:思い入れと専門性に着目した事例研究

近藤 雪絵(立命館大学)

発表キーワード
機械翻訳
生成AI
英語教育

本研究では、薬学系大学院生が選んだ2つのニュース(RADWIMPSメンバー脱退/認知症新薬ドナネマブ承認)を題材に、NMT(みらい翻訳FLaT)とLLM(ChatGPT)を併用し、英訳過程のプレエディットとポストエディットを分析した。院生の思い入れや専門性が語彙選択や文体調整に与える影響を示し、例えば"available"を"affordable"に改め価格重視を、"symbiotic society"を"people can live with dementia patients"に置き換え専門用語回避を行う判断を確認した。また、低回生対象の調査結果と比較検討し、AI翻訳と人間の専門知識が結びつく過程を浮き彫りにし、教育や実務でのAI活用への示唆を示した。これらの分析を通じて、AI時代において、思い入れや専門性が「自分の言葉」を形づくる中核として機能していることが明らかになった。