口頭1-C-72025年8月22日(金) 11:40 - 11:55会場:204

鹿児島県におけるスナホリガニ類の分布と識別に関する研究

鳥越 琉聖(鹿児島県立錦江湾高等学校)

発表キーワード
スナホリガニ
地球温暖化
死滅回遊

スナホリガニについては知名度が低く,先行研究は極めて少ない。その生態や種ごとの分布,種の識別方法等を詳細にまとめた文献はないことが分かり,自分たちの手で明らかにしたいと思い研究を開始した。先行研究と県内での独自の調査をもとに国内におけるスナホリガニ類の種ごとの分布を調べたところスナホリガニ類は西日本で多く確認されていることが分かり,さらに黒潮による分散が推測された。また日本本土ではハマスナホリガニが,南西諸島ではスナホリガニが優占種であり,ハマスナホリガニの方がより北に適応した種であると考えられた。形態調査の結果,甲幅と甲長のプロポーションではハマスナホリガニとスナホリガニの種の識別や同種内の雄雌の識別はできないことが分かった。同種内では雄より雌の方が大きい傾向があり,ハマスナホリガニでは有意差があった。この研究は重要な基礎研究になるとともに,その分布は地球温暖化の指標にもなり得る。