学びの変革と支援の可視化から何が見えてくるか?


本シンポジウムでは、AI・VR/MR・データサイエンス・オンライン教育などを用いた革新的な教育・学習の最先端事例の報告・振り返りを行い、さらに島田敬士先生生による基調講演を踏まえて、ラーニングアナリティックス等の手法による学びの可視化から、新たな可能性や課題として何が見えてくるかを探究する。また、これらが「教育・学習における常識」として何を提起できるかについて、パネルディスカッションや参加者との質疑応答を通じて俯瞰的に模索する好機としたい。


日時と場所

2025年8月21日(木)13:30-15:20【会場:教育学部第一講義棟 101】


パネリストと講演題目


ドゥラゴ 英理花(聖徳学園中学・高等学校 校長補佐 / データサイエンス部長)


早稲田大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、東京大学大学院教育学研究科博士課程にて教育学を専攻。データサイエンス領域の研究を行う。これまでに、武蔵野大学データサイエンス学部客員教員や筑波大学大学院国際教育サブプログラム非常勤講師を歴任し、探究型カリキュラムの開発および人材育成に携わる。2024年には、日本の高等学校として初めて、文部科学省認定教育特例校によるデータサイエンスコースを聖徳学園高等学校に開設。文理融合・探究型のデータサイエンス教育を実践し、新たな学びのモデルを構築している。また、スタンフォード大学発の国際的イニシアチブ「Women in Data Science」の日本アンバサダーを務め、ジェンダー平等なデータサイエンス人材の育成を推進。次世代を担う初等・中等教育におけるデータサイエンス教育の普及にも取り組んでいる。

「データサイエンス教育が拓く未来 ー 高等学校教育の変革と進化ー」

近年、データサイエンスやAIの急速な発展により、教育の在り方が大きく変革しつつある。本講演では、高等学校における文理融合・探究型データサイエンス教育の実践を紹介し、その意義と可能性を探る。従来の知識伝達型教育から、データを活用した探究型学習への転換を通じて、生徒の論理的思考力や創造的問題解決力がどのように育まれるのかを具体的な事例とともに考察する。また、高校段階でのデータリテラシーの修得が学びの「常識」をどのように変革し得るのかについても議論し、今後の教育の方向性を展望する。

宿久 洋(同志社大学 文化情報学部教授/高等研究教育院所長)


九州大学 理学部 数学科卒業、九州大学大学院総合理工学研究科情報システム学専攻修士課程修了。博士(工学)。鹿児島大学理学部助手、同助教授、同志社大学文化情報学部助教授を経て、2008年より同志社大学文化情報学部教授。2020年より学校法人同志社議員会議長、2024年より同志社大学高等研究教育院所長。計算機統計学、多変量解析を専門とし、大規模複雑データの解析法に関する研究に従事。統計関連学会連合理事長、日本分類学会会長、日本計算機統計学会副会長、CIEC副会長などを歴任。近年は、同志社大学データサイエンス・AI教育プログラム運営員会委員長として全学データサイエンス・AI教育の取りまとめを担当。


「生成AI・電子教科書を利用した新しい環境におけるデータサイエンス教育」


生成AIの教育利用をはじめ近年の教育学習環境の変化は著しいものがある。本講演では、新しい教育学習環境における大規模クラス運営の在り方について、同志社大学での全学データサイエンス教育の取組を紹介しながら議論したい。「多様な学生の受講」「様々な環境での講義履修・予習復習」「適切なアセスメント」「個別最適と標準化」などを切り口に話題提供を行う。

矢野 浩二朗(大阪工業大学 情報科学部 教授)


1973年生まれ。大阪工業大学情報科学部実世界情報学科 教授。千葉大学医学部医学科卒業後、マンチェスター大学生物学部大学院で修士号、リバプール大学医学部生理学科大学院で博士号取得。2004年よりケンブリッジ大学医学部生理学科博士研究員、2006年より同大学ペンブルックカレッジ シニアリサーチフェロー。2011年に大阪工業大学へ着任し、現在へ至る。主要研究テーマはVR・メタバース・AIの教育分野への応用。2018年に開設したFacebookグループ「教師のためのVR活用術」は、日本最大のVR教育関連SNSグループである。


「メタバースと生成AIから問い直す学びの形」


メタバースが実現する没入型空間と生成AIが生み出す対話的な学習支援により、教育の場は大きく変容しつつある。本講演では、仮想世界でのリアルな体験とAIとのインタラクションを通じて、新しい「学び」の可能性と課題を具体例から問い直し、未来の教育の姿を考える。

島田 敬士(九州大学 システム情報科学研究院 情報知能工学部門 教授 / ラーニングアナリティクスセンター長)


2002年九州大学工学部電気情報工学科飛び級のため退学。2004年九州大学大学院システム情報科学府修士課程修了。2007年同大学大学院システム情報科学府博士後期課程修了。博士(工学)。2007年4月より九州大学大学院システム情報科学研究院助教。2013年10月より同大学基幹教育院准教授。2017年4月より同大学大学院システム情報科学研究院准教授、2019年10月より教授、現在に至る。その間、JSTさきがけ研究者兼任。ラーニングアナリティクス、パターン認識、メディア処理、画像処理に関する研究に従事。2019年IPSJ/IEEE-CS Young Computer Researcher Award、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、第7回 IMS Japan賞 優秀賞などを受賞。



司会者


木村 修平(立命館大学 生命科学部 教授)


立命館大学生命科学部生命情報学科教授。ミシガン州立大学社会科学部卒業、立命館大学大学院言語教育情報研究科修了、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。博士(政策・メディア)。専門は高等英語教育における情報通信技術(ICT)の利活用。立命館大学4学部で展開するプロジェクト発信型英語プログラム(pep-rg.jp)の運営コアメンバーのほか、外国語教育メディア学会(LET)関西支部傘下の電子語学教材開発研究部会部会長を務める。共著に『AI・機械翻訳と英語学習―教育実践から見えてきた未来―』(朝日出版)、『プロジェクト発信型英語プログラム: 自分軸を鍛える「教えない」教育』(北大路書房)など。