開催挨拶
2007 PC Conferenceが北海道大学(札幌市)で開催されることとなりました。
今年の全体テーマは「壁を越えるICT教育─目が輝く新しい学びへ─」です。
高校に教科「情報」が必履修として設置され,2006年3月には多くの高校生が
ICT教育を受けて巣立っていきました。しかし他方では,10万人以上の生徒を履修単位不足にしてしまった高校の不祥事に,教科「情報」も巻き込まれていました。社会的要請に応えるために設置されたはずなのですが,はやくもその実質が問われています。
日本のパーソナル・コンピュータ普及率は80%を超え,インターネット人口は8500万人を突破しています。コンピュータが家電製品化し,情報をネットからダ
ウンロードするということが日常茶飯事の出来事になりました。その一方で,家庭や地域の社会的格差が,児童・生徒や学生のe−レディネス差や学力差として表れています。ふだん困らない程度に情報機器が使える者にとっては,何を今さらのICT教育に,コンピュータになじんでいない者にとってはついていけないICT教育になっていないでしょうか。
順風満帆で始動したかに見えたInformationとCommunicationに関わる教育ですが,教育者も学習者もさまざまな壁に直面しています。そうした壁を越えるために,私たちがなすべきことは何か,私たちにできることは何かを議論できるPC Conferenceになればと願っています。
2007 PC
Conference
実行委員長
大野 栄三 北海道大学大学院教育学研究院
大野 栄三 北海道大学大学院教育学研究院