実行委員長:若林靖永(CIEC会長理事・佛教大学社会学部教授)

2023PCカンファレンスは、8月17日(木)から19日(土)につくば国際会議場で開催されることになりました。実は、昨年夏にここで対面で開催する予定であったところを新型コロナウィルス感染拡大の波が来ていることをふまえ、学会の独立した判断として、オンライン開催に切り替えました。これで3年連続でのオンライン開催となりました。ですので、PCカンファレンス実行委員長、CIEC会長理事として、今回はぜひともつくばにお集まりいただき、対面でみなさんとともに、共に学び、共に語り合いたいと願っています。

今回のテーマは「変わる社会、変わる学習環境」です。

PCカンファレンスではこれまでの類似の主題をとりあげてさまざまに議論してきました。社会の変化ということでよく紹介される特徴として「VUCA」があります。「正解がない」時代の教育・学習はどうあるべきか、が課題であり、新学習指導要領が提示した「主体的・対話的で深い学び」はまさにこの課題への対応として位置づけることができます。

学校教育を「工業化社会に必要な人材育成」「軍隊教育」としてみなす見方がありますが、明らかに現代の学校教育はけっしてそうではない、新たな学びの場を作り出すようにアクティブラーニングやPBLなどに取り組み、さまざまな幼児・児童・生徒1人1人の教育ニーズに応えるようなプログラムを提供するように変革をすすめています。

コロナによってオンライン教育環境が一般化するとともに、GIGAスクール等により児童・生徒1人1人がタブレット等を活用して学ぶ環境もすすんでいます。このようなテクノロジーを活用し学習者個人に適合した個別最適な学びの提供が追求されています。さらにChatGPT(OpenAI)という汎用的大規模言語モデル(LLM)が公開され、教育現場での活用あるいは使用不可などの議論・対応が始まっています。

私たちは学習する存在です。生まれたとき(いや生まれる前)から私たちは私たちをとりまく環境との相互作用を通じて学習し続けています。近代社会以降は、学校教育が制度化されて子どもの教育・学習機会を保障するようになりました。もちろん学校の外にも学びの場はあり、「遊び」を通じた学びにも目を向けることも大事です。最近では、スマホ・タブレットの利用接触時間が長くなっており、現代の子どもをめぐる学習環境としては無視できません。2023PCCでは、このように社会の変化に対応するように変化していく学習環境について考え学ぶ機会の1つにできたらと思います。

新型コロナウイルス感染症をめぐる対応・対策はポスト・コロナに移行しつつあります。コロナは私たちの社会に大きな試練をもたらしました。それは困難や苦痛を伴いましたが、同時にオンライン教育、リモートワークなど社会全体に普及して、当たり前の環境になりました。本年度のPCカンファレンスは、ポスト・コロナの教育や学びをどうつくっていくか、互いに学び合い励まし合う場として、開催したいと思います。ぜひともリアル・対面で、多くのみなさんがご参加され、集うことを楽しみにしています。