口頭4-B-22023年8月19日(土) 10:00 - 10:25会場:304

物理学の多肢選択式問題を解く際の習熟度による視線行動の違い

奥野 琳太郎(東京理科大学大学院 創域理工学研究科生命生物科学専攻)

発表キーワード
視線計測
物理教育

力学に関する多肢選択式問題において、選択肢を文章とグラフの2つの形式で提示した場合、解答者は自分の好みの形式をより注視して、解答することが知られている(Viiri et al., 2020)。Susac (2018)は、物理学の習熟度により、グラフの読み取り能力が異なることを示した。本研究では、力学に関する多肢選択式問題を解答する際の視線を計測し、物理学の習熟度によって、課題解決時の視線行動に違いが生じるのか検討した。まず事前テストを行い、物理学の習熟度を調査した。その後、参加者のPC画面に課題を提示し、正答を考えさせた。視線行動の指標として、AOI(Area of interest)を設定し、それぞれのAOIをどの程度注視していたかを調べた。その結果、事前テスト高群は、好みの形式でない選択肢に比べ、有意に好みの形式の選択肢を注視していたのに対し、事前テスト低群では、有意な差がみられなかった。