これからの教育・学習イノベーションを展望する ― 教育格差の超越を目指して ―

この半世紀の間に、直近の生成AIを含め新たなテクノロジー・ツール・プラットフォームが次々と出現・普及し、様々な教育と学習の場において用いられてきた。本PCカンファレンスやCIECも、これらと共に歩んできた長く豊かな歴史がある。

今後も技術的進歩は絶え間なく続き、そのスピードもより加速的になっていくことが予見されるが、このような中で私たちが未来志向で考えていかなければならないのは、新しいテクノロジーの登場に刺激されてその教育的可能性を模索するだけではなく、個人や社会が直面している多様な問題や課題、とりわけ個人や学習環境における教育や学習の格差を様々なテクノロジーや教育・学習方法をどのように組み合わせて利用し解決・克服していくか、ということである。そのような創発的「ベストミックス」による教育イノベーションが、次世代のコンピュータ利用教育を展開していく上で不可欠であろう。本基調講演では、国際的・国内的な観点から教育格差の現状を概観しつつ、これまでのコンピュータ利用教育の歴史を踏まえた未来展望・方向性・重要な観点等について提言をおこなう。

日時

2024年8月17日(土)12:15 - 13:00


登壇者


飯吉透(京都大学学術情報メディアセンター / 教育学研究科教授)

国内外でテクノロジーを利用した高等教育の進展・イノベーションに関するビジョン策定・研究開発・啓蒙活動に従事。カーネギー財団上級研究員・同知識メディア研究所所長、東京大学大学院情報学環客員教授、マサチューセッツ工科大学教育イノベーション・テクノロジー局シニアストラテジスト、京都大学高等教育研究開発推進センター長・教授、京都大学教育担当理事補等を経て現職。

世界経済フォーラムグローバル・アジェンダ評議会委員(「テクノロジーと教育」部門)、NHK日本賞審査委員などを歴任。文部科学省中央教育審議会大学分科会質保証システム部会委員、日本学術振興会卓越大学院プログラム審査・評価部会委員 / 大学の世界展開力強化事業プログラム委員会委員、文部科学省デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン事業委員会委員、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事、コンピュータ教育利用学会(CIEC)副会長理事等も務める。