2004PCカンファレンス開催挨拶
大会テーマ
人が生きる道具としてのコンピュータ
〜ユニバーサル&ユビキタスコンピューティングを目指して〜
「2004年PCカンファレンス」は,神戸大学で,2004年8月開催させていただきます.
PCカンファレンス(コンピュータ利用教育協議会年次大会)は,コンピュータ利用教育に関する研究交流会であり,大学生協関係者が,小・中・高等学校の教職員や生涯教育に携わる人々,一般企業の人たちに呼びかけて1993年スタートしました.
PCカンファレンスは,「全国大学生活協同組合連合会」の主催によって運営されてきましたが,1997年からは「全国大学生活協同組合連合会」と「CIEC(コ ンピュータ利用教育協議会)」で共同開催されています.CIEC(コンピュータ利 用教育協議会)は,日本学術会議の「教育学」学術研究団体であり,その理念のひとつは「私たちは,私たちの現実社会での教育の現状をしっかりと見据え,貧しい人々,障害をもつ人々,幼児から大学生,さらには中高年の人々もふくめて,すべての人々が『学ぶ』よろこびをわかちあうにはどうすべきか,どうであるべきか,ということを最優先に考え,そのあとで,最新のハイテク情報技術がそのような人々の『学び』にどのように貢献できるかを考える,ということです」(佐伯胖CIEC会長)が,この理念は大学生協活動の精神"One for All, All for One"と相通じるところがあります.
さて,「消費者保護基本法」の改正が準備されています.消費者の位置付けを「保護される者」から「自立した主体」へ転換しようとしています.また,消費者政策の手法を「事業者への事前規制型」から「事後チェック型」へ転換しようとしています.日本生協連からも委員を出している「第18次国民生活審議会消費者政策部会」は,2003年5月,最終報告書『21世紀型の消費者政策の在り方について』を提出し,「消費者が『自立した主体』として能動的に行動していくためには,(1)安全が確保されること/(2)必要な情報を知ることができること/(3)適切な選択を行えること/(4)被害の救済が受けられること/(5)消費者教育を受けられること/(6)意見が反映されること等がまずもって重要であり,これらを消費者の権利として位置付け,消費者政策を推進する上での理念とする必要がある.これら消費者の権利は,保護によって与えられるものではなく,消費者自ら実現に努めるべきである.また,事業者は,これら消費者の権利を尊重した事業活動に努めるとともに,行政は,その実現のために消費者政策を強力に展開していく必要がある」と述べ,さらに,「消費者は自ら主体的にかつ自己責任の下で判断し,選択し,行動することにより,消費者の権利を実現するよう努める必要がある.すなわち,(1)必要な情報を収集し,合理的に判断・選択し行動すること,(2)事業者,行政への働きかけを行うことなどにより,消費者利益の確保に努めること,などを通じ,その役割を積極的に果たす必要がある」と述べています.
「貧しい人々,障害をもつ人々,幼児から大学生,さらには中高年の人々もふくめて,すべての人々」にとって,「必要な情報を知ることができること」は権利のひとつですが,この権利はきわめて侵害されやすいものです.CIECの理念では「『学ぶ』ことはよろこび」であり,生協の理念では「『学ぶ』ことは暮らしを守ること」 です.
「PCカンファレンス」は,他の学会・研究会とまったく異なり,すべての人々に開かれています.というのは,学ぶことは,学者・研究者だけのものではないからです.「学ぶ」ことは,「よろこび」であり,「生命・暮らしを守ること」だからです.
自立した生活者になるためには,「必要な情報を収集し,合理的に判断・選択し行動すること」が必要になります.「PCカンファレンス」では,最新のハイテク情報技術が「学び」にどのように貢献できるかを考えますが,カンファレンス運営の基本は「参画と協同」です.一人ひとりが「学ぶ」だけでなく,「互いに学び合う」ことが大切です.PCカンファレンスは「互いに学び合う」楽しい研究会であり,コンピ ュータの専門家だけが集まる研究会ではありません.知っている人は報告し,知らない人は聞きましょう.さあ,みなさん,「PCカンファレンス」に参加して大いに学び,「情報技術」を楽しみませんか.そして,暮らしの役に立てませんか.
2004PCカンファレンス実行委員
名誉実行委員長 | 野上 智行 | 神戸大学学長 |
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実行委員長 | 滝川 好夫 | 神戸大学 |
副実行委員長 | 佐伯 胖 | 青山学院大学(CIEC 会長) |
実行委員 | 青木 直史 | 北海道大学 |
綾 皓二郎 | 石巻専修大学 | |
生田 茂 | 東京都立大学 | |
板倉 隆夫 | 鹿児島大学 | |
井上 明 | 甲南大学 | |
井内 善臣 | 兵庫県立大学 | |
上谷 良一 | 兵庫県教育委員会 | |
上原 邦昭 | 神戸大学 | |
大月 一弘 | 神戸大学 | |
荻原 剛志 | 神戸大学 | |
貝原 俊也 | 神戸大学 | |
垣東 弘一 | 園田学園女子大学・短期大学部 | |
加藤 雅之 | 神戸大学 | |
鏑木 誠 | 神戸大学 | |
小西 浩之 | 滋賀県立日野高等学校 | |
末永 勝征 | 鹿児島純心女子短期大学 | |
高橋 正 | 神戸大学 | |
辰己 丈夫 | 東京農工大学 | |
塚本 康夫 | 神戸大学 | |
筒井 洋一 | 京都精華大学 | |
寺嶋 英介 | 大学生協神戸事業連合 | |
中澤 清 | 関西学院大学 | |
中西 通雄 | 大阪工業大学 | |
鳩貝 耕一 | 甲南大学 | |
原田 昭子 | 兵庫大学 | |
福井 一徳 | 中京大学生活協同組合 | |
藤川 清史 | 甲南大学 | |
前田 洋樹 | 神戸大学 | |
前田 幸弘 | 大学生協東京事業連合 | |
村尾 元 | 神戸大学 | |
森下 淳也 | 神戸大学 | |
宿久 洋 | 鹿児島大学 | |
矢部 正之 | 信州大学 | |
湯浅 良雄 | 愛媛大学 | |
吉川 歩 | 神戸親和女子大学 | |
吉田 賢史 | 甲南高等学校・中学校 | |
吉田 晴世 | 大阪教育大学 | |
事務局長 | 寺尾 善喜 | 神戸大学生活協同組合 |
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