開催挨拶
2006年のPCカンファレンスは、立命館大学衣笠キャンパス(京都市)で開催されます。
今年の全体テーマは「自由な学びか、トレーニングか」に決まりました。
いま、教育の場では従来の教科の枠を越えた総合学習や、生徒・学生を学びの主体と考える「学習者オリエンティッド」な学びが議論されています。他方で、生徒・学生の学習の基盤をなす基礎的なトレーニング(計算力、語学力をもとより、規則的な生活習慣)の不足も指摘されています。最近、国際的な学習到達度調査(PISA やTIMSS)の結果が広く知らされ、日本の児童・生徒の読解力や数学リテラシーや科学リテラシーが低下していることがクローズアップされてきています。「情報リテラシー」もまた、この視点で吟味する必要があるでしょう。コンピュータ利用教育を一貫したテーマとしているPCカンファレンスでは、こうした今日の教育のありかたをめぐる活発な議論を全体テーマに取り上げて、初等・中等・高等教育をとおして、自由な学びとトレーニングを単純な対立として捉えるのではなく、両者の先にあるものを探りたいと考えた次第です。
2007年には「大学全入時代」が始まると言われています。このような教育をめぐる激動の時代を迎えて、大学教育における「基礎教育」と「専門教育」をどうするのか、小学校から大学までの「学び」のスタイルは如何にあるべきか、こうしたトピックも取り上げながら論議を深めたいと願っています。
2006PCカンファレンス実行委員長
佐藤 満 立命館大学政策科学部教授
佐藤 満 立命館大学政策科学部教授