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2009 PC Conference 実行委員会事務局

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企画案内

全体会

実施日時
2009年8月9日(日) 9:00-9:30
開催場所
グリーンホール
開会挨拶
湯浅 良雄 愛媛大学法文学部教授
PCカンファレンス実行委員長
開催校挨拶
柳澤 康信 愛媛大学学長
PCカンファレンス名誉実行委員長
来賓挨拶
小谷 直和 文部科学省 高等教育局
専門教育課課長補佐
司会
赤間 道夫 愛媛大学法文学部教授

基調講演1

実施日時
2009年8月9日(日) 9:30-10:30
開催場所
グリーンホール
基調講演1
「持続可能な社会づくりに果たすICTの役割」
小林 修 愛媛大学農学部森林教育講師,博士(農学)
愛媛大学環境ESDプロジェクトマネージャー
  昨今,地球環境問題,地域社会文化の衰退,また金融経済システムの破綻など我々の自然環境,社会文化そして経済を取り巻く状況は現状では持続不可能な状態にある。この現状では持続不可能な社会を,持続可能な社会に変革して次の世代に引き継ぐため,持続可能な社会を担う市民を育成するための教育として現在,国連が主導して「国連持続可能な開発のための教育の10年(以下国連DESD)」が2005年から2014年までを期日に展開されている。持続可能な社会を担う市民として,過去・現在・未来においてローカルからグローバルに至る空間的広がりの中で展開されている様々な事象の連関性を理解しながら自ら身近な活動を通じて持続可能な社会づくりに参画する姿勢が求められる。持続可能な社会づくりをより促進するためには,可能な限り多くの活動実践の事例を共有し,それぞれの地域に適用することが有効である。
  愛媛大学で平成18年度より展開している環境ESDカリキュラムにおいては,大学教員が学生と共に地域社会に繰り出しながら様々な情報を共有し,さらにシンポジウム等を通じてこれまでの様々な活動を公表してきた。しかしイベント型の情報公開形式では,情報伝達が一過性に終わり,継続的な活用がむずかしい。そこで,カリキュラムでは,GISデータベースの構築,e-Learningコンテンツの蓄積などを積極的に行ってきた。現在カリキュラムを通して蓄積した情報は,受講生や地域など希望者の必要に応じて,公開情報内容を設定しながら公開していくことを検討している。
  一方,国連では,世界の様々な地域で展開されている具体的なESD活動事例について収集し,インターネット上の情報技術を活用したグローバル・ラーニング・スペースと呼ぶ情報共有システム構想を打ち出している。グローバル・ラーニング・スペースでは,時間と空間を飛び越えながら,言語障壁も緩和した情報共有スペースを目指している。今後,ますます充実する情報共有技術をESDの展開に生かすことで,ローカルからグローバルレベルで様々な事象の連関性を理解しながら,足元の活動から持続可能な社会づくりに参画する人材が育成されることが期待される。
プロフィール
 
小林 修 愛媛大学農学部森林教育講師,博士(農学)/愛媛大学環境ESDプロジェクトマネージャー
  北海道大学大学院農学研究科修了。今後の持続可能な社会づくりのためには,森林が必要不可欠であるとの考えに立ち,大学演習林を舞台にした森林環境教育を通して,森林・林業の適正な利活用に関する普及活動を行っている。特に,専門である樹木年輪をツールとして木材細胞のしくみから地球環境変動に至るまでを体系的に学習することのできるユニバーサルな教材や体験プログラムを実践的に研究している。また,アメリカ在住経験や,ヨーロッパ諸国・ネパール・インドネシア・中国・モザンビークにおける調査の経験を紹介しながら,地球環境問題を解決するためには「Think globally, act locally」の姿勢が重要であることを説く。平成18年度からは,文部科学省現代GP採択事業「瀬戸内の山〜里〜海〜人がつながる環境教育」の中で愛媛大学環境ESD指導者養成カリキュラムの運営責任者として,学内外で環境ESDによる人材育成に関わっている。

基調講演2

実施日時
2009年8月9日(日) 10:40-11:40
開催場所
グリーンホール
基調講演2
「教育イノベーションの俯瞰図 ―従来モデルを再吟味し,新規モデルを探索する―」
妹尾 堅一郎 CIEC会長 東京大学特任教授
  従来モデルを磨くことをインプルーブメント(モデル錬磨)と呼ぶのに対し,新規モデルを創出・普及・定着していくことをイノベーション(モデル創新)と呼ぶ。環境が急速に変化する中で,従来モデルの閉塞感や制度疲労が進んでいるとすれば,従来モデルを再検討すると共に,新しいモデルを探索していくことが必要となるだろう。
  情報社会が到来し,教育環境,特にメディア環境の変容と多様化しているから,我々は「教育」自体のコンセプトやモデルを問い直す必要に迫られている。すなわち「教育イノベーション」に果敢に挑戦すべき時なのだ。
  私は,この「教育イノベーション」を念頭に,「教育」に関する二つのコンセプトを提案している。
  一つ目は,教育とは「学習者の創造」すなわち「学ぶ者,学び続ける者,学びを楽しむ人々を育成する営み」であるという提案だ。教育とは,単に「人を知識の貯金箱と見なしてひたすら知識を習得させること」でもなければ,「そういった“つらい勉強”を楽にできるような知識伝授に関するコンピュータ等の工学的工夫をすること」だけでもない。誰もが「気づき,学び,考える喜びを分かち合い,その行為自体をワクワクと楽しむ知的な営み」ととらえ,それを加速する“場と機会の提供”をどう進めるか,教育モデルを再検討すべきではなかろうか。
  第二は,教育とは「皆と同じことが言えるか」(社会的素養の確立)と「他人と違うことが言えるか」(個性と創意工夫の発揮と促進)の両輪であるべきだという提案だ。つまり,皆と同じことしか言わない「凡人」でもなく,他人と違うことしか言わない「変人」でもなく,両者のバランスがとれた健全なミドルクラスを育成することが重要なのである。日本の教育はあまりにも「皆と同じことを言えること」に比重をかけすぎではなかろうか。オリジナリティを尊重し,ちょっとした創意工夫にも価値を見いだす人と社会をつくるために,我々は何をしたら良いのか,それを検討すべき時なのである。
  本講演では,社会人教育・人財育成を起点として,情報社会あるいはデジタルメディア・ネットワーク社会における「学び」の可能性とリスクに関して問題提起を試みたいと考えている。それを通じて,教育イノベーションの方向性について皆さんとご一緒に考えられればと思う。
プロフィール
☆東京大学特任教授(知的資産経営),NPO法人産学連携推進機構理事長。
☆客員教授として,一橋大学商学研究科MBA「サービスマネジメント」「ホスピタリティマネジメント」,青山学院大学社会情報研究科(構想学原論,九州大学産学連携センター(研究開発論),放送大学(社会と知的財産)を担当する傍ら,日本弁理士会「知財ビジネスアカデミー」のプロデュースをはじめ企業等の先端人財育成を数多く実践している。
☆慶應義塾大学経済学部卒業後,富士写真フイルムを経て,英国国立ランカスタ−大学経営大学院システム・情報経営学博士課程修了。産能大学,慶應義塾 大学大学院政策・メディア研究科教授,慶應学術事業会代表取締役(CEO),(慶應)丸の内シティキャンパス初代校長,東京大学先端科学技術研究センター特任教授(知財マネジメントスクール校長役)等を経て現職。
☆研究分野は,問題学・構想学,コンセプトワーク,知財マネジメント,サービスマネジメント他。
★実践領域は,先端人財育成,産学連携・学術事業プロデュース。「経営」と「知財」の両方の教科書を出版した唯一の教授と言われている一方で,秋葉原再開発プロデューサとして実践活動を続けている。
☆内閣官房知的財産戦略本部専門調査会委員をはじめ,総務省,経済産業省,特許庁,文部科学省,文化庁,警察庁,ならびに自治体等の各種委員を歴任。先端人財育成により「平成20年度日本知財功労賞(経済産業大臣表彰)」受賞
☆主たる著訳書:『学びとコンピュータハンドブック』(共)東京電機大学出版会,『社会と知的財産』(共)放送大学,『知的財産と技術経営』(共)丸善,『グリッド時代』アスキー,『アキバをプロデュース』アスキー新書,『考える力をつけるための「読む」技術』『研究計画書の考え方』ダイヤモンド社,『雷の科学』(監)日刊工業新聞社,『雷文化論』(編)慶應義塾大学出版会,『雷害 リスク』(編著)ダイヤモンド社,『経営管理総論』産能大学,他多数。

シンポジウム1

実施日時
2009年8月9日(日) 14:15-16:30
開催場所
グリーンホール
シンポジウム1
産官学民連携による“実践的”な学び ―大学における「ソフト・スキル教育」の意味を考えるー
  長い間,大学教育に求められてきたのは,高度な専門知識(アカデミック/ハード・ナレッジ)を身につけた人材の育成であったと言えるでしょう。しかし,社会的ニーズの多様化と共に,専門知識の修得に加え,コミュニケーション能力,チームワークのための責任感・協調性,問題発見・解決力といった「ソフト・スキル」の修得支援が,大学教育にも求められるようになりました。
  中央教育審議会は,大学卒業までに学生が最低限身につけなければならない能力(学士力)を提言していますが,その中で,知識だけでなく,チームワーク,リーダーシップといった態度の重要性に言及しています。また,経済産業省は,産業人材の育成という観点から,職場で求められる能力(社会人基礎力)を提言し,その育成を大学教育に求めています。
  このような流れの中,多くの大学で「ソフト・スキル教育」の取り組みが進められています。そして同時に,従来的な「教室での講義」に変わる“実践的”な学習活動として,企業や地域と連携した学習活動が広がりを見せています。
  一方,「ソフト・スキルは大学で教育すべきものなのか」という疑問が,大学の内部に存在することもまた事実でしょう。今日,多くの大学で行われているインターンシップについても,「何故,インターンシップが必要なのか」「インターンシップで何を学ぶのか」といった本質的な問いを括弧に入れたまま,“成功事例”が紹介され,その運営ノウハウの共有ばかりが進んでいるようにも思えます。
  本来,学習の場を「教室」の外に,学習のあり方を「一方向的な知識伝達」以外へと広げることは,従来的な大学教育を構成する様々な制約の網目から,学習という活動を一時的・部分的にも解き放ち,フラットでダイナミックな関係性の中で経験される活動の可能性を探求していく営みであるはずです。そして,この可能性を拓いていくために,大学教育に携わる私たちに今求められるのは,
  「小中高校での産官学民連携による学習と,大学での産官学民連携による学習の違いは何か」
  「小中高校でのソフト・スキル教育と,大学でのソフト・スキル教育の違いは何か」
といったことの検討を通じて,大学教育におけるソフト・スキル教育の意味・意義・位置づけを明確にすることではないでしょうか。
  このシンポジウムでは,大学教育における産官学民連携を通じた学習活動(インターンシップ,社会人基礎力等)を取り上げ,その現状について検討すると同時に,大学教育におけるソフト・スキル教育の可能性と課題を探っていきます。
パネリスト
石井 宏司 リクルートマネジメントソリューションズ インターフロー事業部企画開発部マネジャー
   秦 敬治  愛媛大学教育学生支援機構准教授
   若林 靖永 京都大学経営管理大学院教授
司会
長岡 健 産業能率大学情報マネジメント学部教授

シンポジウム2

実施日時
2009年8月9日(日) 14:15-16:30
開催場所
共通教育棟講義棟
シンポジウム2
デジタルネイティブが学ぶ『情報』
  IT化社会に産み落とされたデジタルネイディブと呼ばれる世代にとって,『情報』を学ぶとは如何なることなのだろうか。シンポジウム2では,まずデジタルネイティブとはどのような「人たち」であろうか?という視点に立ち,共通認識を構築したいと思います。
  今年入学してきた大学1年生は平成2年,1990年生まれが主流です。彼らをOSの歴史になぞらえて考えてみるとWindows3.0が発売された年に生まれ,幼稚園に行き始めた年にWindows95が発売されたことになります。また,小学校1年生になるとMacOS 7,続いてMacOS 8が世に出てきました。中学校に上がる頃にはWindowsXP,MacOS Xが発売され,まさに彼らの成長はIT化社会の発展と同時進行と言えます。しばしばテレビで取上げられるようなITに長けた特別な若者だけがデジタルネイティブではなく,普段われわれが接する普通の若者がじわじわとデジタルネイティブに変わりつつあるとも考えられます。
  コンピュータが得意か不得意かという線引きではなく,得意であろうと不得意であろうと,まさにネイティブとしてITを肌で感じて育ってきたという,歴史上初めての新しい「人たち」ととらえて対応することが求められるのかも知れません。
  そして,「使うことが目的の道具」をすでに「使いこなしている者」に対して「その道具のうんちくを語る」という情報教育の近未来を見据えて,彼らが学ぶ『情報』について学習者と教育者(授業者)の双方の視点から議論していきたいと考えます。
  パネリストに加え,デジタルネイティブ世代である早稲田大学高等学院および新居浜工業高等専門学校のみなさんにもビデオ出演で参加していただきます。
パネリスト
藤本 徹  ペンシルバニア州立大学大学院/東京工芸大学
虎岩 雅明 NPO法人TRYWARP
武沢 護  早稲田大学大学院教職研究科/高等学院 
占部 弘治 新居浜工業高等専門学校
司会
森 夏節 酪農学園大学環境システム学部

セミナー1

実施日時
2009年8月11日(火) 9:00-10:20
開催場所
グリーンホール
テーマ
新学習指導要領における情報モラル教育
  昨年及び本年告示された小中高等学校の新学習指導要領における情報教育の扱い,今回の改訂の趣旨等について文部科学省から説明をいただき,新しい小中高の情報教育について考えていく。
  特に今回のPCCのテーマでもある「変わる社会 変わる学び 変わるコンピュータ」において,「社会」と「学び」の変化に焦点を当て,「新学習指導要領のなかで,この数年の子どもたちの変化に学習をどのように対応させていくべきか」について会場とともに議論を深めて行きたいと考えている。
  ここ数年,子どもたちを取り巻く社会,情報通信機器,情報通信環境は大きく変化しており,現行の学習指導要領策定時には考えられなかったようなトラブルや問題が学校でも起こっている。
  確かに,情報の影の部分を知ることは大切なことであり,小・中・高校でもそのような取り組みは今までにも行われている。しかし,携帯電話,プロフ,などといった具体的なキーワードのみに注目していると,単に対処療法的な指導にしかなりえず,これからも常に変化する情報通信環境に柔軟に対応することができない。単に危険性を教え,あれはしてはいけない,これはしてはいけないという情報モラル教育だけでなく,よりよいコミュニケーションや人と人との関係作りのための情報モラル教育を進めていく必要があるのではないだろうか。
  新しい学習指導要領の中で「情報モラルをどのように扱い,どのように具体化されていくのか」などを考えていくことを目的とし,各校種の現場からみた子どもたちの現状や意識の変化について報告していただき,会場の参加者の方々の意見を取り入れながら,これからの情報教育,特に情報モラル教育の在り方について明らかにしたい。(担当:CIEC小中高部会)
基調報告
新学習指導要領における情報モラル教育
テーマ
「子どもたち,社会の変化と新学習指導要領(仮題)」
永井 克昇 文部科学省初等中等教育局視学官(予定)
パネリスト
永井 克昇 文部科学省初等中等教育局視学官(予定)
藤村 裕一 鳴門教育大学准教授
瀬川 弘司 日経BPソフトプレス代表取締役社長
簑島 隆  広島大学附属三原中学校教諭
司会
永野 直 鳴門教育大学

セミナー2

実施日時
2009年8月11日(火) 9:00-10:20
開催場所
共通教育棟講義棟
テーマ
e-ラーニングによるリメディアル教育の展開
  大学におけるeラーニング導入事例は,学内外の情報通信ネットワーク・インフラ整備に伴い,全国的に着実に増加してきました。しかしながら,そうした主にハードウェア面での実施環境が充実してきたにもかかわらず,本格的に教育カリキュラムに組み込んだ形でeラーニングの実践に取り組んでいる大学はいまだ少数にとどまっています。その主要な原因としては,学生レベル,学部・学科の専門性など,各大学の実情に合ったeラーニング教材が少ないこと,あるいは,独自に学習コンテンツを開発するとしても,財源や著作権その他の問題があって容易に具体化しないこと等が考えられます。
  一方,新入生の基礎学力低下に悩む大学にとって,入学前後のリメディアル教育カリキュラム実施は学部・大学院教育への橋渡しとして必要不可欠となってきましたが,集合教育的な指導方法だけでは十分な学習効果が得られず,今後速やかに個別学習支援の方策を検討する必要に迫られています。
  放送大学ICT活用・遠隔教育センター(旧独立行政法人メディア教育開発センター)では,上記のような諸事情を踏まえ,大学におけるリメディアル教育に特化したeラーニング教材の開発および共同利用を提唱し,教材コンテンツの配信システム構築とコンテンツ供給を行うためのオンライン学習大学ネットワーク(UPO-NET)を立ち上げました。さらに,コンテンツ制作設備ならびにeラーニング運用実績を持つ大学および教科書出版会社数社の協力を得て教材コンテンツ開発を進め,本年4月より試験的にMoodle上での教材公開を始めました。
  本セミナーでは,eラーニングをリメディアル教育における自律的学習支援手段として活用することの利点,問題点等について,開発者側と利用者側各々の立場からの報告をいただき,参加者との意見交換を通じて今後の展望を考える機会を提供します。
(担当:CIEC外国語教育研究部会)
パネリスト
小野 博 メディア教育開発センター名誉教授/昭和大学客員教授
中山 晃 愛媛大学英語教育センター准教授
司会
野澤 和典 立命館大学教授

セミナー3 + セミナー5

実施日時
2009年8月11日(火)
10:30-11:50 / 12:00-13:20
開催場所
グリーンホール
テーマ
学生の情報教育に対する意識はなぜ変化したのか
-教科「情報」履修状況調査報告から-
  CIEC小中高部会が大学新入生対象に2006年より毎年実施している教科「情報」履修状況調査について2009年の集計分析結果とここ数年の経年変化に関しての報告と議論を行う。また今回のPCCのテーマでもある「変わる社会 変わる学び 変わるコンピュータ」に沿って,調査の単純集計結果を事前に提示し,この結果と参加者の意見や議論の中から,「教科「情報」・情報教育・授業内容は変わったのか」,「児童,生徒,学生は変化したのか」,「教員や社会は変化したのか」などの様々な変化の側面に対して,今後の展望や期待,不安などを明らかにしていこうと考えている。
  昨年度2007年と2008年の経年変化を分析した中で,大学新入生が大学の情報に関する各分野に対して「学びたい」と考える学生が極端に減少しているという分析結果が得られた。この減少に対して,小中高部会が多方面の視点からの分析結果を報告する。これまでの報告は,分科会発表の限られた時間の中であったため,結果の報告に終わっていた点も否めないが,今年はもう一歩深め,特徴的な変化に対してその考えられる理由や原因を明らかにすることに挑みたい。また今年の調査結果から,これから特徴的な変化が見られる可能性もある。そこで集計結果の理由や原因などの解釈に関して,広く意見を求めるために,可能な限り事前に調査の集計結果をWebで公開し,セミナーに先立って意見を募集したい。あらかじめいただいた意見をもとに,当日はセミナー会場で参加者の意見や意思表示ができるシステムを利用して,リアルタイムで参加者の考えを確認しながら進行する。参加者からの意見に会場全体としての同意や反対意見などを含めた議論を深めることによって,現在の学生の持つ「情報」に関する意識と小中高等学校の情報教育の在り方について探りたいと考えている。事前のWebでの調査の集計結果の公開にも注目いただきたい。(担当:CIEC小中高部会)
タイムテーブル
 
10:30-11:00
2009年度教科「情報」履修状況調査結果の報告
11:00-11:20
経年変化や特徴的なポイントを集約して問題提起
11:20-11:50
事前意見,会場の意識調査,意見募集
11:50-12:00
休憩
12:00-13:10
問題提起および会場での討論
13:10-13:20
まとめ
司会
辰島 裕美 北陸学院大学

セミナー4

実施日時
2009年8月11日(火) 10:30-11:50
開催場所
共通教育棟講義棟
テーマ
セカンドライフの可能性を探る
―eまつやま最先端情報技術研究会の取り組み―
  eまつやま最先端情報技術研究会は,2008年4月に,愛媛大学・松山市・松山法人会および松山商工会議所の連携により,先進的な情報通信技術全般について,調査・研究等を行い,その有効性等を検証するとともに,地域の人材育成や地域産業の活性化を図ることを目的として設立されました。初年度はさまざまな企業が注目し,今後拡大していく可能性が高い3Dインターネット技術である「セカンドライフ」を中心に共同で研究してきました。今回のセミナーでは,約1年半にわたって取組んできた内容について,産官学それぞれの立場から状況報告と今後の方向性について議論します。
  セカンドライフ未体験の方や,これから参入しようと考えられている個人・企業の方にとってはセカンドライフの全貌を知る良い機会になると思います。
(担当:愛媛大学 協力:松山市,松山法人会,松山商工会議所,レゾナント・ソリューションズ株式会社)
パネリスト
平田 浩一  愛媛大学教授,eまつやま最先端情報技術研究会会長
尾崎 富士夫 松山市総合政策部電子行政課副主幹
首藤 完治  レゾナント・ソリューションズ株式会社社長
司会
中川 祐治 愛媛大学教授

セミナー6

実施日時
2009年8月11日(火) 12:00-13:20
開催場所
共通教育棟講義棟
テーマ
『コンピュータ&エデュケーション』をより良くするために
―論文の書き方,リサーチの方法―
  『コンピュータ&エデュケーション』も,会員の皆様のご理解の下,これまでに26号(創刊準備号を入れると27号)を発刊することができました。この間,投稿規定の修正,投稿用テンプレートの作成等,いくつかの変更についてお知らせしてきましたが,PCカンファレンスの場で会員の皆様に改めてその趣旨をお伝えするとともに,会誌の一層の充実を目指して編集委員会の編集方針についてご説明し,委員会に対するご意見を頂きたいと考えています。
  編集委員会としましては,CIECというインターディシプリナリな組織の特徴が生かせるように多様な専門の方の投稿を共通の基準の下で採択決定し,同時に誌面に統一性を持たせるべく努めてきました。今回のセミナーでは,(1) 編集方針の概要,(2) 査読方法と評価,(3) 図表を中心とした執筆要領についてご説明し,今後,より多くの会員から投稿していただける会誌へと成長するきっかけになればと期待しています。(担当:CIEC会誌編集委員会)
  1. 『コンピュータ&エデュケーション』について,会誌の経緯,査読などについて
    (田中一郎CIEC会誌編集長)

  2. 投稿の際に気をつけたいこと−ダメな論文を書かないために−
    (中村宗悦編集委員)
    論文の評価ポイント−分析における注意点を中心に−
    (籠谷和弘編集委員)

  3. 投稿データ作成ガイド−制作の視点から−
    (東京電機大学出版局)

イブニングトーク

実施日時
2009年8月9日(日) 18:00-20:00
開催場所
共通教育棟講義棟 ※事前予約制
※イブニングトークは参加者のみなさんご自身で作る企画です。興味のあるテーマに分かれてお弁当を食べながらざっくばらんに語り合います。みなさんの思いを伝え合い,実際の授業や活動に生かしていきませんか
    【3階32講義室】
  1. テーマ:「情報モラル」何を教えるか?
    小学校から高校まで「情報モラル」を教える場合,具体的にどのような内容をどのような方法で教えたらよいのだろうか。現状の情報モラル教育についての問題点を考えるとともに,よりよい情報モラル教育について考える。
    大橋 真也(千葉県立東葛飾高等学校)

  2. 【3階34講義室】
  3. テーマ:先生が今より楽になるeラーニング!
    eラーニングで仕事が増えると言われているが、それはコンテンツを作り込もうとするからです。今より楽になって、今までできなかったことが、Moodleのオンラインテスト機能だけを使ってできるようになります。手持ちの問題を載せて、授業毎に理解度テストするだけです。これで授業改善は進みます。みんなで実践のための知恵を持ち寄りましょう!テストを作るためのツール類を配布します。
    参加対象:教員等
    秋山 實(株式会社 eラーニングサービス)

  4. 【4階42講義室】
  5. テーマ:大学入学時の情報倫理ビデオ教材の有用性について
    次期学習指導要領では、さらに情報モラルに関わる教育が重視されることに なり、また大学入学時のリテラシー教育では情報倫理教育が重要視されている。現時点では大学入学時が自分専用のPCを初めて購入する機会となっていると思われるが、全国の生協が提案するPCにインストールされている「情報倫理ビデオ教材」の有用性についてあらためて考える機会としたい。 。
    参加対象:大学生協での入学時のPC提案に関わる方々
    深谷 和規(早稲田大学生協)

  6. 【4階43講義室】
  7. テーマ:「ソウル国際図書展」「東京国際ブックフェア」報告
    今年5月に「ソウル国際図書展」および7月に「東京国際ブックフェア」に行ってきましたので、その報告を写真入りでしたいと思います。東京国際ブックフェア内の「デジタルパブリシングフェア」の資料も回覧したいと思います。韓国のお好きな方、デジタルコンテンツや出版業界、さらにはブックフェアそのものに興味のある方、ぜひお越しください。
    鍵本 聡(関西学院大学)

  8. 【4階44講義室】
  9. テーマ:初中等情報教育の国際比較−日本・台湾・韓国
    台湾から、情報教育の国際比較を研究している方を迎え、韓国と日本を比較研究してきた者が主催して、台湾・韓国・日本の初中等情報教育(重点は高等学校での情報教育)について、中国語および韓国語から日本語に翻訳した資料を用いて比較討論します。
    参加対象:このテーマに興味のある方すべて。なお討論は基本的に日本語で行いま す。
    和田 勉(長野大学)

初めて参加された皆様へ

実施日時
2009年8月9日(日) 12:00-12:50
開催場所
共通教育棟講義棟 ※事前予約制
  はじめて PC Conference に参加された皆さん,是非,お集まりください。(初めて参加された方限定) CIEC の副会長や事務局長が,みなさんに CIECの紹介をさせていただくとともに,みなさんからの CIEC への疑問,注文などにお答えします。CIEC は創立 13周年を迎えました。教育のあり方を見つめながら,教育現場での PC やインターネットを始めとする情報機器の活用のあり方を研究しています。CIEC 発の研究成果や提言を行うためにも,新進気鋭のみなさんの CIEC への加入,そして, CIEC の活動に対する提案が,求められています。
  お弁当(無料)を食べながら,「PCC の楽しい歩き方」を模索できたらと願っています。

ITフェアインデキシング

実施日時
2009年8月9日(日) 13:00-14:00
開催場所
グリーンホール
  好評の「インデキシングタイム」を初日の基調講演とシンポジウムの間に設けました。インデキシングとは「目次」のことです。ITフェア出展の各社にステージ上で1分間の「私のブースは面白いぞ」「新製品なので来てね」とアピールをしていただきます。つまり,ブース全体の「目次」セッションです。これを見た参加者が後で面白そうなブースへ殺到することになります。

ITフェア

実施日時
2009年8月9日(日) 14:15-18:30
2009年8月10日(月) 10:00-18:00
開催場所
大学会館2階
  IT技術の進歩により,私たちの生活は大きな変化を遂げています。恒例のITフェアには,多くのコンピュータや教育関連企業の方にご出展をいただいております。各分野の「最新」「最先端」の技術の情報が入手でき,実際に機器やソフトを試すことができます。教育・研究素材の収集や交流の場として大変好評を得ております。
ITフェアの詳細はこちらから

分科会 ポスターセッション

実施日時
2009年8月9日(日) 16:45-17:45
開催場所
大学会館3階
詳細は分科会タイムテーブルをご覧ください。

CIEC-企業懇談会

実施日時
2009年8月9日(日) 18:40-19:20
開催場所
共通教育棟講義棟
  IT フェアへご参加いただいた企業のみなさまへ「お礼と懇談の夕べ」を開催致します。今回で3回目となる企画です。(軽食を用意します)IT フェアへの参加のお礼を申し上げるとともに,ご協力の在り方について意見交換できればと願っています

分科会 口頭発表

実施日時
2009年8月10日(月) 9:00-12:20 / 13:45-18:15
開催場所
共通教育棟講義棟
詳細は分科会タイムテーブルをご覧ください。

企業セッション

実施日時
2009年8月10日(月) 9:00-12:20 / 13:45-18:15
PDFファイル 企業セッションタイムテーブル
開催場所
共通教育棟講義棟
企業の皆様に,実物などを交えながら技術トピックスの教育利用の具体的な実践例を発表いただくなど,より具体的な実践方法を紹介していただきます。

レセプション

実施日時
2009年8月10日(月) 18:40-20:00
開催場所
生協食堂 ※事前予約制
2日目の夜に行われるレセプションは立食パーティ形式です。多くの参加者,ITフェアご出展企業の皆様と交流できる和やかな懇談の場です。ご気軽にご参加ください。

プレ企画 1

テーマ
授業への「しかけ」作り
―「協調自律学習」ワークショップ―
実施日時
8月8日(土) 13:00-14:40
開催場所
共通教育棟講義棟
  近年,子どもたちの社会での位置付けが変化しているなか,小中高のどの校種においても教師主導型の授業だけでは対応できないケースが増えてきている。こういった現状を受け止め,最近では「教える教育」から「生徒自身で学ぶ教育」の重要性が指摘されている。これまでの教育方法とは異なった「生徒自身で学ぶ教育」は,子どもたちが自主的に参加できる「協調自律学習」と呼ばれ,現在,授業スタイルが確立されつつある。「協調自律学習」はNPO法人学習開発研究所(所長:西之園晴夫氏)が提唱するもので,別名「チーム学習」とも呼ばれている。子どもたちをチームに分け,そのチーム内でお互いが助け合いながら学習していく方法である。この教育方法に関しては,CIEC小中高部会が昨年度,第75回研究会テーマとして取り上げ,これ以外にも様々な形で実践や研究を進めてきた課題のひとつである。
  かつては,旧来の学びのスタイル(授業スタイル)が子どもたちにうまく働きかけられている時代もあった。しかし近年,旧来の学びのスタイルでは難しい場面がしばしば授業で見られるようになり,そのことが様々な場所で報告されるようになった。そこで,今回の2009PCCでのテーマである「変わる社会 変わる学び 変わるコンピュータ」の「変わる学び」の部分に注目し,これまでの学びの良い部分,悪い部分を踏まえた上で,「協調自律学習」の良い部分を考察し,実際の教育現場の状況に照らし合わせることで,どのように効果的な授業を組み立てていくことができるかを考え,なぜ,いま「協調自律学習」が必要であるのか,について参加者全員で共有していきたい。
  このプレ企画では,協調自律学習とはどういった学習形態であるのかを,実際にワークショップを通して体験することにより理解し,協調自律学習の実践事例報告をもとに,この授業法やこれからの教育方法に関して,議論する場を設定したいと考えている。みなさんの積極的な参加を期待しています。(担当:CIEC小中高部会)
タイムテーブル
 
13:00-13:30

協調自律学習の簡単な説明,およびワークショップ(協調自律学習の体験)
13:30-14:40

協調自律学習についての事例紹介,授業法に関する研究協議
発表者

尾池 佳子 八王子市立由木中央小学校教諭
平田 義隆 京都女子中学校高等学校教諭

プレ企画 2

テーマ
学校評価のためのアンケート分析入門
実施日時
8月8日(土) 14:50-16:30
開催場所
共通教育棟講義棟
  生徒や保護者,教職員を対象にした学校評価アンケートが全国の小中学校,高等学校において実施されるようになって久しいが,多くの学校の現場では「アンケートは非常に事務負担が大きい」と感じているのが現状である。本講座では,そのような悩みをお持ちの学校の先生方を対象として,アンケート実施の経験が全くない先生でも,きっちりとアンケートの目的を設定することさえできれば,非常に短時間で多くの情報をアンケート結果から導きだすことができる実践的な方法を紹介する。講座の前半では,低価格なコンパクトスキャナで読み取れる「スキャネットシート」を用いて300人分のアンケートを20分程度でデータ化する方法を紹介すると同時に,ボタンをクリックしていくだけで,データの要約・視覚化・分析が行えるアンケート集計ソフトウェアQA-Naviを用いて,統計学の知識がなくても簡単にデータ集計が行える方法を紹介する。講座の後半では,QA-Naviから出力される表・グラフ・検定結果を題材としながら,次のアクションにつながるアンケート集計・分析結果を得るためのアンケート作成・実施法を紹介する。講座の参加者には,QA-Naviの機能制限なしトライアル版(60日の使用期限あり)と,講演者らの近刊「アンケート力(秀和システム)」を進呈します。
備考:資料代として千円を予定しています。(ハンズオンを予定)
講師
宿久  洋 同志社大学文化情報学部教授
岩佐 英彦 株式会社ネットシステムズ