開催挨拶

2012PCカンファレンス 実行委員会
実行委員長 美濃 導彦 京都大学情報環境機構長,CIO
学術情報メディアセンター教授

2012年のPCカンファレンスは「変革の教育,継続の教育」というテーマで京都大学において開催されることになりました。実行委員会を代表しまして皆様のご参加を心から歓迎致します。

コンピュータを利用した教育は,1970年代のITS(Intelligent Tutoring System) として主に人工知能の分野の研究として開始されました。当時のコンピュータは大型汎用コンピュータと呼ばれていました。高価なコンピュータを用いて人間を教育する方法が当初から研究されていたというのは大変興味深いことです。それ以後,この分野では,コンピュータが人間を教えるという考え方から人間の学びをコンピュータが支援するという考え方に変わってゆきました。同時に,コンピュータの性能が飛躍的に向上して,今や,手元にあるPCでも当時のコンピュータの能力をはるかに超えています。これに加えて,ネットワークの高速化,PCとインターネットの普及と一般化,携帯端末が急速に普及し,情報通信技術(ICT)が社会を大きく変える,いわゆる情報革命が始まっています。

教育は情報伝達をその本質としているので,教育分野でのICTの利用は必然的であります。ICTの発展に伴って教育支援の形態が変わり,それに従って教育の方法も変わってきました。昨年の東日本大震災は,日本の社会の構造を改めて根本的に考え直す機会を提供しました。これまでの延長線で物事を考えることの危うさを気付かせました。と言ってもすべてを最初から始める訳にはいきません。将来のあるべき姿を見据えて,現在の状態を継続しながら変革してゆかなければなりません。

このような社会状況の中にあって「変革の教育,継続の教育」というテーマで皆さんが一緒に議論できる場を提供できることはこの上もない喜びであります。参加者の皆さんに心から楽しんで頂けるような有意義なコンファレンスにしてゆきたいと思っております。

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