開催挨拶

2013PCカンファレンス 実行委員会
実行委員長 山内 祐平 東京大学大学院情報学環准教授

2013年のPCカンファレンスは「つぎの教育イノベーションを問う」というテーマで東京大学において開催されることになりました。実行委員会を代表し皆様のご参加を心から歓迎いたします。

デューク大学教授であるデビッドソン氏がニューヨークタイムズのインタビューで語った「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今存在していない職業につくだろう」という予測が大きな波紋を呼びました。

情報化が進むにしたがって、我々の働き方は大きく変わってきています。企業がイノベーションを進める度に、業態の変化によって新しい職業が生まれ、既存の専門職を置き換えつつあるのです。

現在の教育は19世紀末から基本的な構造が変わっていません。大学で専門家を養成することを頂点とし、必要な知識や技能を段階的に小学校から積み上げていくという仕組みになっています。このシステムは微修正を積み重ねながら、100年以上有効に機能してきました。しかし、今後職業が安定したものでなくなるとすれば、教育システムは不断のイノベーションを迫られることになります。

アクティブラーニング、ソーシャルラーニング、オープンエデュケーション、MOOC、反転授業など、様々なイノベーションがICTによって引き起こされつつあります。2013年のPC カンファレンスでは、このような教育イノベーションの新しい流れについて共有すると同時に、それがもたらしている価値について「問い」、深い議論ができる場にしたいと考えております。

表層的なキーワードの変化に惑わされることなく、迅速かつ着実にイノベーションを積み上げ、未来の学びの礎を築くことが我々の使命です。PCカンファレンスがその出発点になることができるよう、運営に努めて参ります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。