各企画案内

プレカンファレンス 8月3日(土)

マルチメディアを含む電子書籍のフォーマットとしてのEPUB3セミナー

講師 林  拓也  オーサリング・エンジニア,テクニカルライター

 EPUBは特定の企業に属しないオープンな電子書籍の規格であり,欧米では実質的に電子書籍の標準的な規格と言えるものである。EPUB3になってからは,縦書きやルビといった日本語組版に必須の項目に加え,動画や音声の埋め込み,メディア・オーバーレイ(音声再生とテキストのハイライト表示の同期)等も規格に取り入れられた。本セミナーでは,EPUB規格の概略や技術仕様を紹介した上で,iPhoneやiPad(iOS),Android,Windows,Mac OS Xといった各プラットフォームでの代表的なEPUBリーダーの紹介しつつ,EPUB3で作られた電子書籍の表示デモを行う。次にEPUB制作デモとして基本的なEPUB書籍の制作プロセスを紹介すると共に,EPUBオーサリングツールを紹介する。また,関連情報として,業界最新動向や電子教材に関する幅広い話(EPUB以外のもの)等にも触れる予定である。

参加者:50名(事前申し込み者のみ)

略歴:Webコンテンツ/電子書籍等のデジタルコンテンツの受注制作,ソフトウェア・トレーニングのインストラクターおよびカリキュラム・教材制作,書籍の執筆,セミナー講演等,多方面で活躍中。近著には『EPUB 3 電子書籍制作の教科書』(技術評論社),『デザインの学校これからはじめるFlashの本』(技術評論社),『InDesign CS6で作るEPUB 3 標準ガイドブック』(翔泳社:共著)等がある。

司会 野澤 和典(CIEC外国語教育研究部会世話人代表,立命館大学)

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基調講演1 8月3日(土)

教育イノベーションを問う:東京大学の試みから

山内 祐平  東京大学大学院情報学環准教授

 現在の教育は19世紀末から基本的な構造が変わっていません。大学で専門家を養成することを頂点とし,必要な知識や技能を段階的に小学校から積み上げていくという仕組みになっています。このシステムは微修正を積み重ねながら,100年以上有効に機能してきました。しかし,情報化や国際化によって職業が安定したものでなくなりつつあり,教育システムは不断のイノベーションを迫られています。モバイルラーニング,アクティブラーニング,ソーシャルラーニング,オープンエデュケーション,MOOC,反転授業など,様々な変革がICTによって引き起こされつつあります。また,ICTによる変革を受けて,能動的学習を支援する新しい形の教室「アクティブラーニングスタジオ」,図書館を情報を活用した学びの場に変える「ラーニングコモンズ」,対話によって大学を社会に開く「コミュニケーションスペース」など,学習空間にもイノベーションが波及しています。この講演では2003年から2013年まで東京大学で行われた研究および実践を紹介しながら,教育イノベーションの本質とこれからのビジョンについて考えていきたいと思います。

略歴:東京大学大学院情報学環准教授。大阪大学大学院人間科学研究科助手,茨城大学人文学部准教授を経て現職。(博士人間科学)専門分野は教育工学,学習環境デザイン論。著書に「デジタル社会のリテラシー」(岩波書店),「デジタル教材の教育学」(東京大学出版会・編著),「学びの空間が大学を変える」(ボイックス出版・編著),「ワークショップデザイン論」(慶応義塾大学出版会・編著)など。情報学環・福武ホールの学習環境に対してグッドデザイン賞受賞,ミサワホームとの共同研究であるホームコモンズ設計に対してキッズデザイン賞受賞。

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基調講演2 8月3日(土)

MOOCsのインパクトと高等教育の未来

重田 勝介  北海道大学情報基盤センター メディア教育研究部門准教授

 MOOCs(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン講座)と呼ばれる,社会的企業や世界のトップユニバーシティが一般向けに大学レベルのオンライン教育を行う取り組みが注目を集めています。米国では「Coursera」や「Udacity」などの大学レベルのオンライン講座を公開する社会的企業が,世界のトップユニバーシティの講義を数百万人に対して無償で公開しているほか,「EdX」や「FutureLearn」など,大学間でコンソーシアムを形成しオンライン教育を実施する動きも見られます。

 MOOCsは高等教育の機会を大学のキャンパスの外へと拡張し,より多くの人々に対して高等教育に触れる機会をもたらします。MOOCsを開講することで,大学は自校の教育の質を国際的に示すことができるだけでなく,MOOCsを反転授業の教材に用いるなど,キャンパスにおける学びの質を高めることも可能です。

 これまでにも,教材や教育コースをインターネット上で公開し,人々に対してより多くの教育機会をもたらそうとする「オープンエデュケーション」と呼ばれる活動が,十年来取り組まれてきました。国内外の様々な教育機関や非営利組織が,インターネット上で教育目的に自由に使える「オープン教材(OER:Open Educational Resources)」を公開し,多くの大学が「オープンコースウェア」と呼ばれる大学教育向けの教材を無償で公開してきました。オンラインでオープン教材を使った学習コミュニティを形成し,学習者が相互に学び合う取り組みも盛んに行われています。MOOCsはこれまでのオープンエデュケーションの活動と接点を保ちながら,オンライン教育を大学教育や経営戦略に位置づけて拡張させた,新しい形態の教育活動だといえます。

 広く一般向けに大学レベルの学習環境をインターネット上で提供するMOOCsは,国内外における今の教育のあり方に対し,どのような影響を及ぼしうるのでしょうか。本講演ではオープンエデュケーションとMOOCsの現状について整理し,MOOCsが既存の教育のあり方に与えうるインパクトと教育の未来を変革する可能性について,様々な事例をもとに解説します。

略歴:北海道大学情報基盤センター メディア教育研究部門准教授。大阪大学大学院卒(博士 人間科学)。東京大学 大学総合教育研究センター助教,UC Berkeley Educational Technology Services客員研究員をへて現職。専門分野は教育工学,オープンエデュケーション。著書に「オープンエデュケーション」(東京電機大学出版局),「職場学習の探求」(日本生産性出版・共著),「デジタル教材の教育学」(東京大学出版会・共著)など。

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シンポジウム1 8月3日(土)

大学教育における対面授業・物理的学習環境の価値を再考する

 近年のオンライン教育,Eラーニングの普及,さらには昨年来の大規模公開オンライン講座(MOOCs)の拡大によって,従来型の対面授業が前提ではなくなり,対面で授業することの意義や価値を問い直すべき時期が到来しています。そこでは,「ブレンド型学習」や「反転授業」に代表されるような,オンライン教材やネット上の学習リソースを活かした対面授業のデザインや,教室内での学習活動を活性化するためのICT利用やその教育方法,プロジェクト学習のようなグループ学習の場としての教室の物理的な学習空間をどのように活かしていくかといった議論を深めていく必要があると言えます。

 また,オンライン教育の普及によって,従来の教育の場としての大学の役割や価値が変容するなかで,地域の教育機関やそこで教育機会を提供する教員の立場として,今後どのような価値を学習者に向けて提供していくかが問われてくるでしょう。

 本シンポジウムでは, アクティブラーニング,ブレンド型学習,地域連携学習,ソーシャルファブリケーションなどのテーマで,それぞれに見識のあるパネリストの方々から話題提供していただき,大学教育における対面授業や教室の学習環境の価値について,今後研究や実践を進めていく上で手掛かりとなる論点や課題を議論します。

パネリスト(話題提供者・五十音順):北村 士朗  熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻准教授
:ブレンド型学習の観点から
筒井 洋一  京都精華大学人文学部教授
:地域連携学習の観点から
林 一雅   東京大学教養学部附属教養教育高度化機構アクティブラーニング部門特任助教
:アクティブラーニングの観点から
渡辺 ゆうか  ファブラボ鎌倉(LLC FabLab Kamakura), 慶應義塾大学SFC訪問研究員
:デザイン支援学習の観点から
モデレータ宿久 洋 同志社大学

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シンポジウム2 8月3日(土)

電子書籍の未来構図を語る

「日本で電子書籍は普及しない」とよく言われています。その理由として,プラットフォームが乱立し過ぎで規格も統一されていない,権利関係が複雑すぎる,日本の電子書籍はまだまだ高い,日本の紙の本はアメリカほど高くないし重くもない,日米で本の制作と販売の仕組みが違う,等の要因があげられます。

 一方,米国においては,2012年は既に「3割」の時代になったといわれています。つまり,全米の読書人口の3割ぐらいは日常的に電子書籍を楽しみ,売れている本の3冊に1冊はデジタル版であり,大手出版社の売上げは3割ぐらいがEブックによるものになっています。さらに,米国内だけでなく,米国の大手IT企業は,電子書籍を,インターネットからダウンロードした小説や漫画などを,スマートフォンやタブレット端末で購読する事業を,日本においても開始しました。日本で電子書籍を普及させるには,各社が取り扱う書籍の数や種類をどう増やしていくかが大きな課題となっています。

 本シンポジウムでは,国内外における電子書籍市場の動向,事業モデルの変化の方向性,利用者層等の現況を紹介し,教育現場(講義と臨床,教室内外)における電子書籍は,今後どのような方向に進んでいくべきかについて,ディスカッションを行います。

パネリスト妹尾 堅一郎 CIEC会長
興治 文子  新潟大学(CIEC国際活動委員)
米国関連企業:依頼中
モデレータ吉田 晴世  大阪教育大学

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ITフェアインデキシング

 毎年好評の「インデキシングタイム」を初日8月3日の基調講演とシンポジウムの間に設けました。インデキシングとは「目次」のことです。ITフェア出展の各社にステージ上で1分間の「私のブースは面白いぞ」「新製品なので来てね」とアピールをしていただきます。つまり,ブース全体の「目次」セッションです。これを見た参加者が翌日4日に興味があるブースへ直行することになります。

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イブニングセッション:交流型

 参加者の方々から企画を公募し,下記のテーマで実施することになりました。軽食をとりながら,ざっくばらんに語り合います。みなさんの思いを伝え合い,情報交換をして実際の授業や活動に生かしていきませんか。(軽食と飲料を用意します:500円)

(1) iBooks Authorによる本当にインタラクティブなデジタル教科書について考える

主催者曽我 聡起 北海道文教大学外国語学部
共催者中村 泰之 名古屋大学大学院情報科学研究科
三谷 正信 千歳科学技術大学総合光科学部
川名 典人 札幌国際大学人文学部
中原 敬広 合同会社三玄舎

 2012年1月にApple社からMac向け無料アプリケーションソフトであるiBooks Authorがリリースされて1年半が過ぎた。本アプリケーションを使うことによりApple社が「マルチタッチブック」と呼ぶデジタルテキストの出力が可能である。また,拡張機能である「HTMLウィジェット」を用いることにより,Moodleなどe-Learningシステムとの連携が可能となる。その後,2013年3月にはApple社によるオンラインショップであるiBookstoreで日本語コンテンツの販売が開始された。iBooks Authorが出力する「マルチタッチブック」もiBookstoreから配信/販売が可能である。

 本イブニングセッションは,主催者からiBooks AuthorやiBooksのあらまし,HTMLウィジェットのサンプルやiBooksによる「マルチタッチブック」などを紹介し,参加者とともにこれらを考察しながら「本当にインタラクティブなデジタル教科書」の可能性を考え,議論するものである。お手元のiPadを持参の上,ご参加下さい。※iPadを持参しなくても参加可能。

(2) 学生も教職員もブラインドタッチになれる学習法

主催者増田 忠士 増田事務所

「CIEC TypingClub」で採用されている増田式キーボード学習法で,2006年より現役世代向けにハードなメール通信講座を実施してきた。2012年春に,50〜70代のパソコン初心者にブラインドタッチを教えるリクエストを受け,同講座のカリキュラムを大幅に改善した。同時にサポートを厚くした結果,ブラインドタッチになれない原因が,キーボードとローマ字入力に潜んでいることが分かった。その考察から,練習者が頑張っても,自習では完璧なブラインドタッチにはなかなかなれず,カリキュラムを進める傾斜をゆるくすることで毎日の練習量を減らし,個別に適切なサポートを続ける必要性が見えた。大学生にはブラインドタッチになりたい希望が多いものの,練習機会が得にくいのは,教える側にブラインドタッチが出来る人が少ないからだと指摘されることもある。この方法で,両者の日本語入力問題が解決できる可能性を,教授法と一年間の成果で伝えたい。

(3) 高等教育におけるSNS活用事例ショーケース

主催者木村 修平 立命館大学言語教育センター

 Facebook,Twitter,LINE・・・ご存知のように,SNSは現在,多くの国々の様々な分野で急速に利用が進んでいます。もちろん高等教育も例外ではなく,SNSを教育の現場で活用しておられる教職員の方々は大勢おられると思います。その一方で,そうした実践から得られたノウハウやハウツーを共有する場はそれほど多くないのではないでしょうか。主催者である私(木村)自身,3年間にわたって担当授業に関する情報の共有や学生からの質問への回答にTwitterを活用してきたものの,完全な無手勝流のため,他にもっといい方法があるのではないかと疑問に思い続けてきました。このイブニングセッションでは,そうした教職員の方々に,ご自身のSNS活用事例を,ひとり3分程度のショーケース形式でご紹介いただき,カジュアルな質疑応答を通じてノウハウや知見を参加者の方々と共有して頂ければと思います。また,これからSNSを授業で活用してみたいとお考えの方のご参加も大歓迎です!

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イブニングセッション:ワークショップ型

 参加者の方々から企画を公募し,下記のテーマで実施する事になりました。ワークショップという「学びの場」に関心のある方々や,口頭発表やポスターセッションでは伝わりにくい実践・研究上の効果や課題について意見交換の場を持ちたいと考えている方々の参加をお待ちしています。(軽食と飲料を用意します:500円)

(1) 医療ICTの進歩と教育

主催者神崎 秀嗣 京都大学ウイルス研究所
共催者菅原 良  秋田大学教育推進総合センター

 主催者は臨床検査技師養成校において情報教育に携わっている。これまで医療従事者にとって情報科学は必ずしも必要な学問ではなかった。しかし検査機器の進歩と高度化,日本での医師不足の解決や医師業務の負担増から医療機関内の電子カルテの普及やon line化,クラウド化によってPC含めた情報科学技術は必要になってきており,医療従事者の国家試験にも情報科学の分野が出題されるようになってきた。またスマートフォン/タブレットも医療現場に登場し始めた。近年のICT環境の進歩と医療系への導入を考えるとICT教育の岐路に立っているように思われる。そこで,今回,イブニングセッション「医療ICTの進歩と教育」を企画した。様々な医療に関係する方だけでなく教育関係者にも参加して頂き,医療機関で即戦力として役立つICT教育の試みを討論したい。

(2) 哲学カフェ‐自分の言葉で考える新しい学びの場‐

主催者大木 誠一 神戸国際大学附属高等学校
共催者梶村 健二,澤田 あゆみ,大塚 恭平 神戸国際大学附属高等学校

 学校で,教えることは当然のことと考えられています。私たち同僚有志は,教えるということを問い直すため「哲学カフェ」を始めました。「哲学カフェ」は,授業ではありません。私たちは,様々な境界を越えた開かれた学びの場を新しく創ろうとしています。参加者は,生徒から社会人まで幅広くお互いの違いを越えて対等に議論しています。「当然のことと信じられているが,実はうまくいっていない問題」(Marc Sautet『ソクラテスのカフェ』1996年より)について深く考える機会は,学校で教えることに慣れた人たちにはほとんどありません。考えることを,自分で学び・学び直すため,また,正しく問題を提起し検討するため,何より必要なのは自分の言葉で語ることです。今宵,私たちが高校で試みている「哲学カフェ」で,すべての違い越え皆様自身の言葉で討論してみませんか。「哲学カフェ」に興味ある方,どなたでも参加可能です。「哲学カフェ」の議論に,ぜひご参加を。

(3) プレゼンテーションの授業を通して考える,気づきと学び

主催者角南 北斗 フリーランス(Webデザイナー)

 プレゼンテーションのスキルは,最近はビジネス業界だけでなく,大学を中心に教育現場でも学ぶべき項目として扱われるようになっているが,その内容はというと「教師が具体的なテクニックやスタイルを提示する」というものが大半のようである。この教育手法は,学習者が即効性を感じられ分かりやすいという側面があるいっぽう,状況判断のスキルの育成がなおざりになる,先入観の強化やスタイルの画一化を生むといった側面もある。

 このジレンマを乗り越えるため,私は2010年度から大学生を対象に「教師が教えるより,学習者が気づく」ことを重視したプレゼンテーションの授業を行なってきた。本ワークショップでは,参加者にこの授業手法をワーク形式で体感していただく。その後のディスカッションを通して,プレゼンテーションという学習テーマに限らず,学習者が自分で学びを考え,自主的に取り組んでもらう授業はどう実現できるかを,みなさんと考えていきたい。

(4) 「よい問い」をつくるワークショップ

主催者岡田 大輔 和歌山大学附属図書館
共催者有吉 末充 京都学園大学

 レポートや卒論を書くにはテーマを決める必要がある。ただ,大学生自身がテーマを「よい問い」とするのは非常に難しい。本来「よい問い」を決めるには,多くの知識が必要であろう。ただ,書くこと調べることによって得られる知識も多くあると考えられ,"知識を増やす"ことを重要な目的としたレポートは多く出されている。その結果,学生は少ない知識でテーマを決める必要が生じる。もちろん教員が「よい問い」を与える方法もあるが,学生の意欲を持続させるためにも,学生が「よい問い」を自分で決められることが望ましい。主催者は大学初年次の学生に,web ツールを活用し「よい問いをつくる」ことを目標にした授業を行なっている。また,主催者と共催者は,高校生が探究学習において「よい問いをつくる」ための本『問いをつくるスパイラル』を執筆した。

 このワークショップでは,主催者の授業で実際に行われている方法を体験して頂き,皆さんのさまざまな考えをふまえてよりよい方法を探る議論ができればと考えている。

(5) Read Aloud 機能を用いた iPad 用電子教科書の制作の実際

主催者生田 茂  大妻女子大学社会情報学部
共催者小林 誠司  株式会社フューズネットワーク

 iPadのiBooks上で,文章をハイライトさせながら読み上げる Read Aloud 機能を取り込んだ EPUB3対応の電子書籍の制作について,ソフトウエアを開発している FUSE Network の方とともに,電子書籍の制作の実際を解説する。制作した自主教材のデモ,ソフトウエアを使った制作の過程を紹介しながら,教育における活用について討論する。

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ITフェア 8月4日(日)

 IT技術の進歩により,私たちの生活は大きな変化を遂げています。恒例のITフェアには,多くのコンピュータや教育関連企業の方にご出展をいただいております。各分野の「最新」「最先端」の技術の情報が入手でき,実際に機器やソフトを試すことができます。教育・研究素材の収集や交流の場として大変好評を得ております。ぜひITフェア会場にお寄りください。

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分科会 口頭発表・ポスターセッション 8月4日(日)

 口頭発表96本、ポスターセッション30本の発表があります。

口頭発表8月4日 9:00−11:55 15:30−17:55
8月5日 9:00−11:25
ポスター発表8月4日 14:00−15:00(発表者立ち会い時間)

詳細は分科会タイムテーブルをご覧ください。

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レセプション 8月4日(日)

 2日目の夜に行われるレセプションは参加者のみなさまを歓迎する立食パーティ形式です。和やかな交流,懇談の場です。お気軽にご参加ください。

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セミナー1 8月5日(月)

あなたは未来に向けた教育をしていますか−変わりつつある学びの場−

 学校にインターネットやPCが導入されてから,約10年が経ちました。今では,生徒・学生の多くがスマートフォンを持っています。また,タブレットの普及に伴いデジタル教科書が初等中等教育に本格的に導入されようとしています。そのなかで,ICTを学習ツールとして活用する21世紀型スキルに関連した実践も行われています。講義の場でしかなかった教室という学びの空間が,質的に変わりつつあります。このような状況の中で,ICTは何のために利用するのか,ICTを活用することでどのような効果があるのか,社会生活におけるICTや情報に関するリテラシーを身につける必要性などについて様々な議論がおこなわれています。一方で,社会の多様化や未来について深く考えることなく,日常業務化した講義型の授業が,まわりが何も変わらなかったように続けられています。私たちはここで少し立ち止まり,今教室で起こっていること,学びの場で必要なことについて考えていきます。このセミナーは,実践報告を聞くだけでなく参加者とともに考えていく場です。話題提供者,梶村健二(神戸国際大学附属高等学校)は,生徒の育つ環境づくりこだわった日本史の実践を,永野直(千葉県立袖ヶ浦高等学校情報コミュニケーション科)は一人一台のタブレットを活用した多様な学びを実現している取り組みについて,吉田賢史(早稲田大学高等学院中学部)は一斉授業の中での個別授業を試みながら授業の意味を問い続けている数学の実践を報告します。

 その後,各話題提供者は,現在抱えている問題や課題に関連した問いかけを参加者に対しておこないます。参加者から解決のための方策やアイディアを提案いただき,話題提供者とともに議論を深めたいと思います。なお,このセミナーで取り上げた問題について,より詳細な検討を行うため,参加いただいた方々とともにCIEC小中高部会が研究会を企画できるような「つながりの場」になることを望んでいます。

パネリスト梶村 健二 神戸国際大学附属高等学校 日本史担当
永野 直  千葉県立袖ヶ浦高等学校情報コミュニケーション科 情報担当
吉田 賢史 早稲田大学高等学院中学部 数学担当
モデレータ辰島 裕美 北陸学院大学短期大学

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セミナー2 8月5日(月)

CIEC会誌『コンピュータ&エデュケーション』をより良くするために −求められる論考と期待される内容−

 これまでのPCCでは「CIEC会誌『コンピュータ&エデュケーション』をより良くするために」というタイトルで編集委員会がセミナーを開催してきました。毎回,多くの会員に参加していただき,編集委員会の査読方針をお伝えし,また会員からの意見をお聞きし,編集方針に反映させることにも努めてきました。この会員と編集委員との意見交換の場が会誌の質の向上につながったのではないでしょうか。

 しかし,投稿いただいた論考の中に推敲がなされたとは思えない英文アブストラクト,不適切な統計処理などが散見されるのも事実です。今回のセミナーでは,統計的処理に関する問題点を中心にお話しし,会員の皆様からもご意見をいただきたいと考えています。

 また,会誌には「論文」と「活用事例」というジャンルがあり,これら2つの分類についてはこれまでのセミナーでもご説明してきましたが,「活用事例」も論文の一形式であるということも繰り返し強調していきたいと考えています。「活用事例」にふさわしい内容でありながら,「論文」という形式をとったために改稿をお願いしなければならないケースが見られるからです。 

 今回のセミナーにふるって参加下さり,「コンピュータ&エデュケーション」誌への投稿をお考えいただく機会にしていただき,同時に会誌の質の向上につながるご意見をいただければければ幸いです。

パネリスト田中 一郎 金沢医科大学
横川 博一 神戸大学
松浦 執  東京学芸大学
籠谷 和弘 関東学院大学

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セミナー3 8月5日(月)

学びの主体者たる学生たちの『思い』と『これから』 −学び手・教え手・学びの場の作り手として−

 2012年度の生協職員部会のセミナーでは「教育を取り巻く環境が変わっていく中で,学生の学びが変わっていくのか,それとももう変わっていっているのか?」「その学生を支援する教職・生協職員・企業は何を支援するのか?どう支援していくのか?」「学生は変化の中で何が問題点を感じているのか?何を求めているのか?」に着目した。 

 その中で学生らは自然に学びの場を形成していることがわかってきた。「教え手から学び手へ」だけでなく「学び手からの気づきで教え手が新たに学ぶこと」や「学び手同士で学び合う・学び手が教え手に成長していく」ことを行ってきている。

 大学生協ではパソコン講習会を開催し,先輩学生から後輩に伝えていく場を恒常的に提供し続けている。その中で生協職員部会としては今回のセミナーで,学生らがその学びの場をどのような思いで形成してきたのか,また,どのように今後発展させていきたいのか,学生らが作り上げる学びの場の意味,新しい教育のデザインについて議論を行いたい。  実際に6月(予定)に学生による事前の交流会を開催し,そこでの事例交流報告とともに,学生,教職員,企業の方々とともに深めていきたい。

パネリスト 芳賀 祐馬 京都大学大学院 農学研究科森林科学専攻
浅川 美沙紀 名古屋工業大学 工学部
藤沢 繁利 東京農工大学大学院 工学部 機械システム工学専攻
高瀬 敏樹 北海道札幌旭丘高等学校 情報科教諭
長岡 健 法政大学 経営学部教授

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セミナー4 8月5日(月)

統計教育質保証

 近年,社会における大規模データの活用が注目され,実際に様々な箇所で用いられ,あるいは用いることが試みられようとしている。Google のチーフエコノミストであるHal Varian氏は,統計家を今後10年間で最もセクシーな仕事と称し,各種メディアでもビッグデータ,データサイエンティスト,統計学というキーワードが連日のように取り上げられている。企業の採用活動にも変化がみられつつあり,統計科学を習得した人材養成のニーズは非常に大きい。また,高校教育においては,平成24年度より必履修科目「数学(特)」の中に「データの分析」という内容が設定され,全高校生が基礎的なデータの扱いについて学んでいる。

 現在,日本には,統計学部,統計学科を有する大学は存在せず,統計学を専門とする人材の養成は,数理系の学部,経済系の学部などで少人数の教員により行われている。この大学における統計教育の体制は欧米諸国のみならず,アジア諸国に比しても遅れを取っていると言わざるを得ない状況である。

 このような状況の中で,文部科学省平成24年度大学間連携共同教育推進事業において,「データに基づく課題解決型人材育成に資する統計教育質保証」が採択され,東京大学,大阪大学,総合研究大学院大学,青山学院大学,多摩大学,立教大学,早稲田大学,同志社大学の8大学で「大学間連携統計教育ネットワーク(JINSE)」が組織され,日本統計学会をはじめとする統計関連6学会,日本経済団体連合会を含む関連8団体とともに統計教育の質保証に関する取り組みがなされている。

 そこで本セミナーでは,大学における統計教育の質保証をテーマに,「複数大学の連携による統計教育の推進」,「共通カリキュラムや客観的な質保証方法の構築」,「高校での統計教育と大学入試における統計のあり方の検討」について,それぞれ積極的に活動されている方々に講演を依頼し,現状を共有しながら,今後の大学における統計教育の取り組みについて議論したい。

講演1 統計教育大学間連携ネットワークが目指すビッグデータ時代の人材育成
     美添 泰人 青山学院大学教授・JINSE運営委員会委員長
講演2 統計教育の共通化を考える〜共通カリキュラムから共通評価まで〜
     中西 寛子 成蹊大学名誉教授  竹村 彰通 東京大学教授
講演3 統計教育の高大接続 〜教育内容と試験による評価〜
     田栗 正章 中央大学教授・大学入試センター顧問
司会  宿久 洋 同志社大学教授

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