201PC CONFERENCE

各企画案内

8月20日(木)

【プレカンファレンス1】9:15−11:00 
iPadを活用した授業実践報告とアプリ体験
講師:岩居弘樹(大阪大学全学教育推進機構教授)

近年,教育現場におけるタブレット端末の普及は,目覚ましいものがあります。例えば,小学校現場においても,教育行政レベルでの配備も進み,国のICT環境整備充実の施策を受け,児童・生徒全員にタブレット端末の配布の実施を展開している地方公共団体も現れてきています。

本プレカンファレンスでは,タブレット端末にアップル社のiPadを用いて,大学の外国語授業での実践を中心に報告をふまえたワークショップ形式のセミナーを行います。既成のアプリケーションで有効なものを紹介し,参加者に模擬授業の受講者として参加していただきます。

当日は,WiFiを使用することが可能な環境の教室を使用します。iPadを持ち込むことが可能な参加者には,IDとパスワードを配布しますので,当日ウェブ上からアプリケーションをインストールし,ワークショップ形式での参加が可能です。もちろん,iPadの持参無しで,講義形式で参加していただくことも歓迎しています。ただし,時間と環境の制限上,iOS以外のタブレットや,パソコンの説明については,今回は,行わないものとします。

今回体験していただくアプリは「ロイロノート・スクール」です。「ロイロノート・スクール」は初等教育用に開発された授業支援アプリ「ロイロノート」を機能強化したクラウド・サービスです。文字,絵,写真,ビデオ,音声などを使ってスライドショーやデジタル・ストーリーテリング作品を簡単に作成できるので,初級ドイツ語の授業では主に学習成果発表用に活用しています。また,講義科目での内容理解を深めるためのレビュー・ビデオ作成にも利用しています。

iPadを持参できるかたは,効率よくワークショップを進めるため,あらかじめ以下のアプリのダウンロードをお願いします。
・「ロイロノート・スクール」(無料・アカウントは当日配布します)
・「MetaMoJi Note Lite」(無料・ネットワークが使えない場合,ロイロノート・スクールの代用として使用します) <参考>授業では以下のアプリも利用しています:
「Dragon Dictation(音声認識アプリ:無料)」「German Word Wizard(合成音声アプリ:有料)」「imiwa?(辞書アプリ:無料)」「Quizlet(Flashcardアプリ無料)

【プレカンファレンス2】9:15−11:00
考えの道筋の視覚化;難しいことをやさしく伝え,面白くて学習者をとりこにします
講師:浪平博人(元大妻女子大学)

学習者の興味を引き付ける分かりやすい教育が求められています。これは,従来の“手順の伝達”に多少偏っていた教育を“意味の伝達”に力点の移動を促されているものと考えます。人は意味に興味を示すからです。そこで,論理的な事柄(たとえば算数・数学)を対象に,そこに含まれる内容の核心をIT技術を使って視覚化しました。加えて,その変化を動的にし,論理の展開が連続的に見えるようにしました。視覚化により意味を自然に伝えることができ,連続的な動きを付加することにより,変化の因果関係の構造を効率的に伝えることができます。こうして,次のような変化を具体化する教育法となります。

(1)形式的に分かる → 意味が分かる

(2)覚える     → 考える

(3)努力の要求   → 興味・感動を引き出す

操作は1回見れば分かるよう簡明にし,内容構成の自由度も確保しています。

(1)初期条件の設定は画面上から任意に与えられ,問題は自由に作成できる。

(2)全ての操作は僅かな数のクリックで済む。

(3)色々な変化は自由に設定できる。

具体的なコンテンツは,算数・数学(小学から中学,高校,大学)のほぼ全域,アルゴリズム,管理工学,金融工学等です。ご来場下さり是非ご自分で体験して,その効果を実感して下さい。なお,サンプルとしてyoutubeに小学から大学までのものの一部を60コマ位流しています。youtubeを開き,hiroto namihira で検索してご覧になってください。

■全体会・基調講演■ 12:00−14:30
【基調講演】スーパーグローバル大学における取り組みの一事例 
—「世界適塾」大阪大学の場合—

大阪大学は,緒方洪庵が大坂の船場に開いた「適塾」をその精神的原点としている。「適塾」には,日本全国から,藩や身分の違いを越えて志の高い若者が学問を求めて集まり,互いに切磋琢磨した。その後,彼らの多くはまったく新しい近代日本をデザインし,リーダーとして歴史を変える大きな貢献をした。大阪大学は,この「適塾」の精神を受け継ぎ,21世紀のグローバル社会において活躍する人材を輩出することを目的とした「世界適塾」となることを志している。

そこで,大阪大学は「物事の本質を見極める」高いレベルの学問を追求し,学問による「調和ある多様性」を創造することを理念とし,そのために,地球規模の「世界適塾」を実現して,知識,技能,経験,立場などが異なる人々の相互理解と協働によるイノベーション(コラボレーティブ・イノベーションと呼ぶ)を推進する精神と力量をもつ人材を育成することにより,人類社会の発展にグローバルに貢献することを目標としている。大阪大学のスーパーグローバル大学構想は,以上の志と理念の達成のために,教育研究のグローバル化を図る一環として策定したものである。

本日は,その「世界適塾」がどのように具体的に構想され,これから進められていくのかについて,「グローバル化」「ICT利用教育」「高大連携」の三つのテーマを中心に,大学関係者のみならず,一般の参加者の方々にもわかりやすく解説してみたい。

【基調講演1】 グローバル化と大阪大学
下田 正(大阪大学理学研究科教授・教育担当副学長)

大阪大学はグローバル化に対応するために,さまざまな方策を準備している。まず,多くの国との通用性を担保すべく学事暦を変更し,クォーター制(3学期及び夏季講習期間)を平成29 年度より開始する。また,新たな留学生入試制度等を通じ,留学生の受入れを拡充する。外国人・日本人の混住を前提とした国際色溢れる約2,600 戸規模のグローバル・ビレッジ(学生・職員寮)をPFI 方式により基本的に民間資金のみで整備する計画もある。さらに,外国籍教員を教員の15%となるよう増員するなどの取り組みも行っている。外国からの留学生への対応としては,現在でも人気の高いFrontierLab@OsakaU 等の短期留学プログラムやサマープログラムなど国際通用性のあるカリキュラムを拡充・発展させるとともに,英語による授業のみで学位を取得できるコースの増設を進めている。本講演では,これらの取り組みを具体的に紹介し,グローバル化に対する本学の取り組みを解説する。

(略歴)1980年京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。その後大阪大学教養部助手,助教授,大阪大学大学院理学研究科准教授を経て,2000年より同研究科教授。2008年同研究科副研究科長,2012年大阪大学教育担当理事補佐,2014年大阪大学教育担当副学長および全学教育推進機構長。専門は原子核物理学。不安定な原子核を核反応によって作り出し,その特異な構造を解明することによって宇宙における元素合成の謎に迫っている。

【基調講演2】 ICT利用教育と大阪大学
竹村治雄(大阪大学サイバーメディアセンター教授・教育学習支援センター長)

大阪大学は,ハーバード大学とMITが設立したMOOCプラットフォームのedX に,日本の大学としては3番目に加入し,同組織が提供する大規模公開オンライン講座(MOOCs) を介し,魅力ある教育研究コンテンツを世界に発信するとともに,@英語での高度な授業の実施を希望する教員への支援,A学習者中心のアプローチによるコース設計や能動的学習を促進する講義形態の学内定着等を,教育学習支援センターが中心となって強化することで,国際的水準での講義形態の学内普及をめざしている。また,edX から提供するMOOCs を介した先進的・特徴的な教育の発信と,それらのコンテンツを活用した学内での能動的学習を促進する講義形態の普及を進めることで,MOOCsをはじめとするオンラインコンテンツを活用した新たな質保証の枠組みの推進も構想している。本日の報告では,これら大阪大学でのICT利用教育の現状を紹介する。

(略歴)1989年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程単位取得退学。(株)国際電気通信基礎技術研究所 研究員,主任研究員,奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授を経て,2001年より大阪大学サイバーメディアセンター教授,サイバーメディアセンター長(2007〜2011),全学教育推進機構企画開発部長(2012〜2015)を歴任,2013年より教育学習支援センター長を併任。専門分野はヒューマン・インタフェース。拡張現実感や複合現実感を用いたインタフェースの研究に従事。大阪大学の教育情報化システムとして情報教育システムやLMSの導入や運用を担当。

基調講演3】 高大連携と大阪大学
進藤修一(大阪大学言語文化研究科教授・教育担当理事補佐)

高大連携には国内向け,国外向け二通りの方策がある。国外向けとして,大阪大学では留学生獲得のチャンネルの多様化を計画している。また,日本語能力に多少難があっても学業成績が極めて優秀である海外の高校生を特別枠扱いで選抜し,渡日前入学許可を与え,日本語を中心とした半年間の予備教育を提供する「海外在住私費外国人留学生特別入試」を平成28 年度に開始する。 国内向けの方策としては,グローバル志向の高い入学者を得るため,各都道府県や国立・私立の各高校と包括協定等を締結し,スーパーグローバルハイスクール(SGH)やスーパーサイエンスハイスクール(SSH)等を含めた,先進的教育を実施する高校との連携を強化している。また,平成27年度に科学技術振興機構の次世代人材育成事業「グローバルサイエンスキャンパス」に採択されたことを受け,全学の教学マネジメント拠点である学修イノベーション機構内に高大接続部門を新設し,さらなる高大連携の発展をめざしている。さらに,平成29年度の導入をめざし,「世界適塾入試」(AO・推薦入試)の実施にむけて準備中である。 本日は,大阪大学におけるこれら高大連携・接続の取り組みをより詳細に紹介する。

(略歴)ヨハネス・グーテンベルク大学歴史学部修士課程,ビーレフェルト大学歴史・哲学部博士課程(ドイツ)を経て1995年同志社大学大学院文学研究科博士後期課程退学。その後日本学術振興会特別研究員,大阪外国語大学講師,助教授。2007年より大阪大学言語文化研究科准教授,2014年より同教授・大阪大学教育担当理事補佐。専門はドイツ教育社会史研究。著書に『ドイツ史研究入門』(共著、山川出版社、2014年),訳書にG.A.リッター『ドイツ社会保障の危機』(共訳,ミネルヴァ書房,2013年)などがある。

【シンポジウム1】16:00—18:00
「グローバル化のなかの教育改革―大阪大学の『決断』から考える」

本シンポジウムは基調報告「スーパーグローバル大学における取り組みの一事例—『世界適塾』大阪大学の場合—」を手がかりに,広くシンポジウム参加者との対話を通じて,グローバル化する世界において我が国の教育が進むべき道を模索しようとする試みである。グローバル化への対応を試みる大学改革,グローバル化と高大接続のゆくえ,ICT利用環境の整備と教育のグローバル化,入試改革,国際通用性と学事暦改革の問題など,21 世紀のグローバル社会において活躍する人材輩出を目的とした「世界適塾」となることを志している大阪大学がこれらの事例に関する話題を提供しつつ,今後の教育改革のあり方について,PCカンファレンスに集まった参加者の方々と共に検討してみたい。

パネリスト

下田 正(大阪大学理学研究科教授・教育担当副学長)

深瀬浩一(大阪大学理学研究科教授・教育担当理事補佐)

進藤修一(大阪大学言語文化研究科教授・教育担当理事補佐)

竹村治雄(大阪大学サイバーメディアセンター教授・教育学習支援センター長)

川嶋太津夫(大阪大学未来戦略機構教授・グローバルアドミッションズオフィス長)

モデレーター

妹尾堅一郎(特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長・前CIEC会長理事)

【シンポジウム2】16:00—18:00
「電子書籍の現状・課題・挑戦」

米国では政府主導型ではなく,電子書籍市場に注目した民間企業が先導し,導入を推進しているのが特徴であろう。大手デジタル教科書会社が近年大幅に売り上げを伸ばしているのも,このことを裏付けている。

一方,国内においても,電子書籍推進については,文部科学省が2011年に出した「教育の情報化ビジョン」,「学びのイノベーション事業」,総務省の「フューチャースクール推進事業」などに言及されている。しかしながら,課題としては,一般の書籍販売に比べて電子書籍は,利害関係が煩雑なため調整が大変なことや,伝統的な紙ベースによる教育方法とデジタルネイティブ世代に適応した教育のあり方との温度差などの問題がある等,教育現場におけるデジタル教科書を中心として,電子書籍はどうあるべきなのかということについて,政府と企業との同意が取られていないのが現状である。

2013年PCカンファレンスにおいて,「電子書籍の未来構図」というテーマでシンポジウムを行った。その折の課題は,なぜ日本では教育界において電子書籍が普及しないのか,であった。北米の電子書籍の教育界への進出はすさまじく,デジタル化への方向へと,インフラストラクチャーはもとより,流通改善,教員の意識改革等へと,大きな変革を遂げている。

2015年5月に,北米大学(カリフォルニア州立大学等)を視察訪問し,様々な示唆と知見を得られたことをもとに,最新の日米における比較を中心に,「電子書籍の現状・課題・挑戦」について提案するとともに,ディスカッションを行う。

パネリスト

Dr. Gerard L. Hanley(Executive Director, MERLOT CSU Office of the Chancellor)
武沢  護(早稲田大学)
三浦 貴司(全国大学生活協同組合連合会)

モデレーター

吉田 晴世(大阪教育大学 CIEC副会長)

【ITフェアインデキシング】14:40—15:50

毎年好評の「インデキシングタイム」を初日8月20日の基調講演とシンポジウムの間に設けました。インデキシングとは「目次」のことです。ITフェア出展の各社にステージ上で1分間の「私のブースは面白いぞ」「新製品なので来てね」とアピールをしていただきます。つまり,ブース全体の「目次」セッションで,参加者が翌日21日に興味があるブースへ直行することになります。

【イブニングセッション】18:30−20:00

参加者の方々から企画を公募し,下記のテーマで実施する事になりました。ワークショップという「学びの場」に関心のある方々や,口頭発表やポスターセッションでは伝わりにくい実践・研究上の効果や課題について意見交換の場を持ちたいと考えている方々の参加をお待ちしています。(参加費:500円)

<ワークショップ型>

(1)PISA(学習到達度調査)の評価が大きく変わった。
PISA2015を使って授業に利用できる形成的評価を作成してみよう
主催者:大木誠一,筒井洋一(京都精華大学人文学部)

アクティブラーニングという学生の主体性を促す授業実践が大学で求められ,さらに高大連携のキーワードとして使われるようになっている。一方で,学生が能動的に活動するだけでは,必ずしも「深い学び」を実現できない。

そのなかで,アクティブラーニングにおける評価方法として,学生自身にとって,「学びのための評価」又は「学びとして評価」を取り入れる必要性が強調されている。PISA2015問題解決の枠組みは,協働的な状況における個人の問題解決スキルを評価しようとしている。このワークショップでは,簡単な解説の後,参加者が実際にPISA2015を利用した評価を体験し,参加者自身の授業との関連性について話し合う。

ここでは,グループワーク内の活動にどれだけ深くかつ戦略的に取り組んでいるかを学生によって振り返る機会(形成的評価)として,PISA2015問題解決の枠組みを利用するやり方を,参加者とともに実践し意見交換することを目指している。

<交流型>

(1)考えの道筋の動的視覚化:ITを使った新しい教育法
主催者:浪平博人(元大妻女子大学)

学習者の興味を引き付ける新しい教育法です。内容の “意味の伝達”を目指し,論理的な事柄(たとえば算数・数学)を対象に,そこに含まれる内容の核心をIT技術を使って視覚化しました。加えて,その変化を動的にし,論理の展開が連続的に見えるようにしました。視覚化により意味を自然に伝えることができ,連続的な動きを付加することにより,変化の因果関係の構造を効率的に伝えることができます。小学から大学までのコンテンツを使って動的視覚化による意味の伝達の効果を実証的に解明し,この方法が学習者の興味を引き出すメカニズムを明らかにします。くわえて,使用者の使い勝手の良いコンテンツ作成の要点を披露します。内容の説明・デモに加えて参加者に実際に操作してもらいます。サンプルとしてyoutubeに60コマ位流しています。youtubeを開き,hiroto namihira で検索してご覧になってください。

(2)LMS活用事例ショーケース
主催者:長澤直子(大阪成蹊短期大学経営会計学科)

各教育機関においては,講義情報の提供や課題提出のために,LMS(Learning ManagementSystem)を活用されているかと思います。ただ,利用が一部の教員に留まっていたり,利用はされているものの十分に活用されていなかったりと,問題点もいろいろ存在しているのが実情ではないでしょうか。

このイブニングセッションでは,日頃LMSを利用されている教職員の方々に,それぞれ所属機関で利用されているLMSの概要と使い方を,簡単にご紹介いただければと思っています。裏技的な使い方のご紹介も大歓迎です!所属機関のLMSを相互に紹介し合い,利用方法や使い勝手などの情報を共有し合うことができれば,利用の幅が拡がるかも知れません。

また,Googleより昨年度リリースされたGoogle Apps for Education“Classroom”というLMSが,主催者の所属先で利用できるようになりましたので,こちらもご紹介します。Classroomを利用されている教育機関の方からのご報告も歓迎いたします。LMS導入検討中の教育機関の方も,ぜひご参加ください。

(3)海外の情報リテラシー教育を通じてみる我が国の課題
主催者:CIEC国際活動委員会(代表者 大岩幸太郎)

山形大学 加納寛子先生を講師としてお迎えし,「国際比較による情報リテラシー教育」に係る現状をご紹介戴き,そこから見えてくる「情報リテラシー」の我が国の問題点や在り方などについて,参加した皆さんと情報教育・意見交換を行います。

(4)理工系eラーニングを考える 〜数式自動採点をきっかけに
主催者:中村泰之(名古屋大学) 吉冨賢太郎(大阪府立大学) 中原敬広(合同会社三玄舎)

本企画は,数学などの理工系講義におけるICT活用についての気軽な意見交換を目的とします。例えば,反転学習,MOOCsなどでは,オンラインによる確認テスト,課題の提出が行われており,オンラインテストの効果的かつ効率的な活用が求められます。我々は,解答を選択式ではなく数式で入力させ,その正誤評価を行うことのできるオンラインテストシステムの開発・運用に携わり,その有用性を実感する一方で,様々な課題に直面しました。例えば,(1)システムに依存しない良質な問題の共有,(2)数式入力支援,(3)様々な学習スタイルに応じた学習端末の可能性,などです。本企画では,それらの課題の共有と解決に向けての取り組みを紹介するとともに,理工系ICT利用教育一般についても,様々な課題,意見を提示していただき,理工系eラーニングを発展させるための必要条件を模索したいと考えています。http://urx.nu/jeJe

(5)大学生協PC講座のこれからについて

主催者:情報生活サポート研究会(CIEC九州支部・大学生協九州事業連合)
     CIEC生協職員部会,全国大学生協学びと成長事業協議会・学び講座タスク

全国の約100大学において開講され,受講生17,000人に至っている大学生協PC講座については,様々な取り組みがなされています。CIEC生協職員部会は交流会やセミナーを実施し,幅広い視点で研究しています。CIEC九州支部と大学生協九州事業連合は合同で研究会を立ち上げ,専門的な知見をもとにPC講座の改善やポストPC講座となる事業についての研究・実践を重ねてきています。全国大学生協・学び講座タスクでは,事業面で大きく発展させるための検討をしています。そして各生協でも多種多様な取り組みがなされています。これらの取り組みで得られた知見やノウハウ等を共有し,PC講座のこれからを模索すべく交流会を企画しました。

PC講座に関わられている学生,生協職員・理事の方々,情報教育に関する知見をお持ちの教職員の方々等にご参加いただき,PC講座の改善,今後のあり方等についての情報交換やディスカッションを通じ,PC講座のこれからについて考えてゆきます。

8月21日(金)

【ITフェア】10:00−17:00

 IT技術の進歩により,私たちの生活は大きな変化を遂げています。恒例のITフェアには,多くのコンピュータや教育関連企業の方にご出展をいただいております。各分野の「最新」「最先端」の技術の情報が入手でき,実際に機器やソフトを試すことができます。教育・研究素材の収集や交流の場として大変好評を得ております。ぜひITフェア会場にお寄りください。

【分科会 口頭発表・ポスターセッション】

口頭88本,ポスター32本の発表があります。  

口頭発表
8月21日(金) 9:00−11:55 15:30−17:25
8月22日(土) 9:00−11:25  

ポスター発表
8月21日(金) 14:00−15:00(発表者立ち会い時間)  

詳細は分科会タイムテーブルをご覧ください。

【レセプション】18:00−19:45

2日目の夜に行われるレセプションは参加者のみなさまを歓迎する立食パーティ形式です。和やかな交流,懇談の場です。お気軽にご参加ください。(参加費:5,000円)

8月22日(土)

【セミナー1】12:00−13:30
テーマ「加速する学びの変化と電子コンテンツの利活用」

講演者

緒方広明(九州大学 基幹教育院 情報科学部門 大学院システム情報科学府教授)
「デジタル教材の学習ログを中心とした教育ビッグデータの利活用:九州大学基幹教育における事例紹介」

田村恭久(上智大学 理工学部 情報理工学科 教授/ICT CONNECT 21 技術標準化WG座長)
「ビューア利用ログの分析と活用について」

大学の変化が加速している。学生の主体的な学びを促進すると共に,それを保証するための,教員の教育力の向上,教育方法の改善,成績評価の厳格化をめざして,アクティブラーニング, MOOC(Massive OpenOnline Courses),反転学習(Flipped Learning)など大学教育に今までとは質の異なったイノベーションが始まっている。そうした中で,大学教育における電子コンテンツ活用が本格化してきている。このセミナーでは,電子教科書の導入事例とビューア利用ログの分析と活用について情報提供を受け,今後の電子コンテンツを活用した授業改革の可能性について探る。

【セミナー2】12:00−13:30
テーマ「CIEC会誌『コンピュータ&エデュケーション』をより良くするために
−期待される原稿とは−」

パネリスト

中村泰之 CIEC会誌編集委員長 (名古屋大学)
松下慶太 CIEC会誌編集委員 (実践女子大学)
寺尾 敦 CIEC会誌編集委員(青山学院大学)

CIEC会誌『コンピュータ&エデュケーション』誌は,コンピュータやネットワークを活用した教育や教育実践に関する研究を「論文」や「事例研究」にまとめて投稿し発表する場として,1996年の創刊以来,38号まで発刊を重ねてまいりました。「教育」を基本軸に様々な分野からの投稿が見られるのも,本誌の大きな特徴の一つです。

会誌をより充実させることを目的に,PCカンファレンスではこれまで,編集委員会がセミナーを開催し,「会誌『コンピュータ&エデュケーション』をより良くするために」という一貫したテーマのもと,論文の書き方,リサーチの方法,なぜリジェクトされるのか,歓迎される原稿とは,求められる論考と期待される内容,教育調査データの活用について皆さんと考えてきました。これらの内容をふまえ,また37号から投稿カテゴリー「事例研究」が設定されたことも勘案し,今回のセミナーでは,『コンピュータ&エデュケーション』誌ではどのような投稿を期待しているのか,についてご紹介する予定です。今回のセミナーにふるって参加下さり,『コンピュータ&エデュケーション』誌への投稿をお考えいただく機会にしていただければ幸いです。

 

【セミナー3】13:45-15:15
テーマ「2020年の学習・教育環境を考える〜電子デバイス活用の変化を中心に〜」

パネリスト

村井 万寿夫 (金沢星稜大学)
永野 直(千葉県立袖ヶ浦高等学校)

2020年,大学入試制度が大きく変わる。小学校から大学にいたるそれぞれのステージで変化への対応を迫られ,ICT活用のあり方や求められるスキルも変わろうとしている。
小中高におけるタブレット活用事例に注目が集まり,また大学入試におけるCBT(Computer Based Testing)方式導入も現実味を帯びるなか,電子デバイスが大学入試をめざす高校生や経験した大学生にとってどのような存在となり,どのように活用されていくのか,PCカンファレンスに参加される方々にとって大きな関心事ではないだろうか。
そこで本セミナーは,

・ 大学入試改革等を巡る最新動向
・ 小中高におけるICT・電子デバイス活用の先進事例

を学ぶとともに,
現在の中学1年生が大学入試を迎える2020年をどのように迎えるか,送り手(小中高教育に携わる教職員)と迎え手(大学教育に携わる教職員・大学生協職員)がともに考える場としたい。

【セミナー4】13:45−15:15
テーマ「富山県の大学・高専における情報処理教育はどのように改革すべきか」

パネリスト

上木佐季子(富山大学総合情報基盤センター准教授)
小松裕子(富山大学芸術文化学部准教授)
新開純子(富山高等専門学校 電子情報工学科教授)
浦島 智(富山県立大学工学部 情報システム工学科講師) 

コーディネーター

小川 亮(富山大学人間発達科学部附属人間発達科学研究実践総合センター教授)

富山県内では,富山大学が平成5(1993)年から一般情報処理教育をスタートさせ,共通の教科書を使用して,コンピュータとネットワークによる情報活用,情報処理および情報通信技術を,各自の専門分野において,有用なツールとして活用できる技術,技法,技能を習得させることを目的に,授業を開始しました。その後,高等学校でも情報処理が取り入れられ,富山県立大学ではPCの必携化が開始され,大学・高専における情報処理教育も,時代の変遷とともに,教育内容も変わってきました。  本セミナーでは,「富山県の大学・高専における情報処理教育はどのように改革すべきか」をメインテーマとして,これまでの情報処理教育内容を,時代の変遷とともに反省を交えて紹介して頂き,これからの情報処理教育のあるべき姿を,パネリストの皆さんから提案をして頂き,会場の皆さんと討論をかさねて,タブレット,スマートフォン時代のICT活用に向けた,情報処理教育のあり方を考えてみましょう。