会場:Ω(オメガ)館11
井庭 崇 慶應義塾大学総合政策学部
教師が自らの実践をよりよくしていくためには,どうしたらよいのでしょうか? 「創造する学び-アクティブ・ラーニング2.0-」をテーマに掲げる今回のカンファレンスでは,教師も「創造する学び」によって自らの力を磨いていくという考えのもと,そのための新しい方法を紹介し,実際に体験していただきます。
さらに,今回体験する対話ワークショップを,みなさんの学校・職場・コミュニティで,創造的な職員研修・FD(Faculty Development)として実施するためのコツも伝授します。今回対話で用いるのは,「生徒・学生が学びの主体となりながら成長していく」ために教師にできる実践のコツをまとめた「アクティブ・ラーニング・パターン《教師編》」(Active Learning Patterns for Teachers)です。
これは,アクティブ・ラーニングを日々実践されている先生のふるまい,授業のしかけ,考え方など,実際の経験則をもとにつくられたものです。このあとの基調講演につながる内容ですので,ぜひこの対話ワークショップから参加してみてください。
会場:θ(シータ)館
井庭 崇 慶應義塾大学総合政策学部
これからの社会では,従来の考え方や仕組みにただ従うのではなく,状況に合わせて変化・進化させたり,まったく新しいものをつくり出したりすることが求められます。そのような力をつけるための「学び方」は,単なる詰め込み型ではなく,新しい関係性を発見し,自ら意味を編集・構成していくような「創造的な学び」(クリエイティブ・ラーニング)であるべきです。
創造的な学びでは,各人がそれぞれの思考・行動によって成長していくため,一斉・一律に支援することはできません。そこで,そのような創造的な学びの支援のための新しい方法が不可欠です。
本講演では,創造的な学びを促すために,「パターン・ランゲージ」という方法を紹介します。パターン・ランゲージでは,創造・実践の経験則を「パターン」という小さな単位にまとめ,それを体系化します。本講演では,学び方 の「ラーニング・パターン」,表現の「プレゼンテーション・パターン」,グループワークの「コラボレーション・パターン」や,企画の「プロジェクト・デザイン・パターン」,そして,進路選択のパターンなどを紹介し,その活用方法と導入事例を紹介します。この新しい支援の方法を,ぜひみなさんの教育・実践の場に活かしていただければと思います。
会場:θ(シータ)館
6日の教育・ITフェア企画へ出展の各社にステージ上で1分間のアピールをしていただきます。各ブースで最新機器や実践事例が展示されていますので,会場を回る際の参考にしてください。
会場:κ(カッパ)館12
石川 初 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
このワークショップの課題は「鑑賞ガイドをつくる」です。街で私たちの周囲にありふれている,あるいは容易に見出すことができるにも関わらず,従来は愛でる対象ではなかった風景や事象,または事物を選び,それらを「鑑賞」するためのガイドを制作します。絵や写真を使い,対象物の魅力が力説された,それを手にするとそれ以降は二度と以前のようには見えず,それを楽しく「鑑賞」してしまう,そのような視線の更新を起こすガイドの制作を目指します。今回は,これまで大学の演習などで作ってきた学生の作品のなかからいくつかの優れた事例を紹介したのち,短いレクチャーを行い,その後参加者に手を動かしてもらい,鑑賞ガイドを作成,最後にそれを発表してもらいます
会場:κ(カッパ)館23
今村 亮 認定NPO法人カタリバマネージングディレクター
予測不可能な未来を前に高校教育は大きな転換点を迎えつつあります。2022年から始まる次期学習指導要領に向け,すでにアクティブラーニング(=主体的・対話的で深い学び)実装の実践的検討が始まっています。 しかし矛盾しているとは思いませんか?いくら大人が「主体的に学びなさい」と叫んでみたところで「主体的・対話的で深い学び」が実現するわけがありません。こうした矛盾を克服するため,ゲストとして「マイプロジェクト」を実施した高校生を招きます。ヒントはプロジェクト型高校生が誕生してきた生態系に隠されています。
会場:ε(イプシロン)館11
小野田 哲弥 産業能率大学 情報マネジメント学部准教授,CIEC理事
1年前のリオ五輪開幕直前,全国の1万人に日本代表の「金メダル予想」を尋ねたところ,1位は体操の内村航平選手でした。多くの人が彼の活躍を“予見”したわけですが,知名度格差を補正すると,より興味深い結果が得られます。大会を通して一気にブレイクすることになる高橋・松友ペア(女子バドミントン)がトップに躍り出るからです。
また,同年5月に実施した「大相撲」アンケートでは,人気No.1力士は琴奨菊関でした。初場所における彼の優勝という発奮材料がなければ,豪栄道関の秋場所全勝優勝も,稀勢の里関の横綱昇進もなかったかもしれません。すなわち,昨年春時点のデータの中に,その後に起きる様々なドラマの“予兆”が隠されていたとも解釈できます。
本スタジオでは,スポーツとコンテンツ分野を中心にヒットの“芽”を定量的に発見し,夢のあるシナリオを想像/創造します。前提知識や事前準備は必要ありません。スマートフォンのみ持参で,気軽にご参加ください。
会場:ε(イプシロン)館12
北村 士朗 熊本大学 教授システム学研究センター,CIEC副会長理事
各大学生協で実施されているPC講座では,学習者として大学の授業ではアクティブ・ラーニング等の新しい授業スタイルや問題解決型の授業を経験しているはずの学生スタッフが,講師やTAとしては旧来の一斉授業スタイルでオフィスソフトの機能紹介を中心に講座を進めているケースが見受けられます。これらの進め方は適切なのでしょうか?その検討のため,架空のPC講座(ケース)をインストラクショナルデザインのモデルを用いて評価し(星いくつつくか?),長所や問題点・課題,改善案を議論しながら建設的に批判することを試みます。
大学生協PC講座関係者(学生スタッフ・職員・理事),高校・大学の情報教育に携わる教員,企業・組織内の研修担当者などの皆さんを参加者として想定しています。
キーワード:アクティブラーニング,インストラクショナルデザイン(ID),ID第一原理,評価,成人学習,「教えない」研修
会場:ε(イプシロン)館22
鳴川 肇 慶應義塾大学環境情報学部准教授
講演者が独自に考案した世界地図図法[オーサグラフ世界地図]を用いたラーニングスタジオを実施します。具体的には以下の内容を予定しています。
1. 地図の特徴とそれを用いた主題図を手短に説明します。
2. より深く仕組みを知ってもらう目的で,地図のペーパークラフトを組み立てます。
3. 現代社会を反映した地政学的テーマをこの地図に描き込みます。
4. 各テーマをわかりやすく示すために,地図を切り貼りしながら地図の中心を変更します。
地図図法を考案するには幾何学が必要ですが,数式を理解する力以上に,球体を平らに切り開く図画工作(美術)の作業がものを言います。またこの地図の活用の仕方を考えると,今の世界観を伝える地理や地政学,地学などをわかりやすく表すグラフィックスのアイデア(デザイン)が必要です。これら複数の「科目」を一体化し,参加者の世界観を地図表現します。
必要なもの:はさみ,セロテープ,色ペン
会場:ι(イオタ)館11
西野 嘉之 産業能率大学客員教授,ユーレット株式会社 代表取締役CEO
世の中には,様々なビジネスが存在します。では,どんなビジネスがあるのか?を公開されている上場企業に関するデータを活用して,紐解いて行こうと思います。「なぜ,急にこんなに売上が伸びたのか?」「なぜ,赤字に陥ったのにV字回復できたのか?」「これから,どんな会社が伸びそうなのか?」といったことを,企業価値検索サービスUllet(ユーレット)<http://www.ullet.com>を実際に使って,「へー,そうだったんだ!」という体験を皆様と共に得たいと思います。簿記が分からなくても,会計に詳しくなくても会社の課題を把握し,未来の仮説を立て,その会社の将来性を検証するプロセスをご提案致します。実践形式の情報教育の1つの方法論,特にビッグデータの解析と解釈の手法の教育方法論に関心のある方に,ぜひ参加して頂ければと思います。
キーワード:ビッグデータ,企業価値,思考プロセス
参加条件:ラップトップPC,もしくはスマートフォン,タブレットのいずれかの持参をお願いいたします。
会場:ι(イオタ)館12
松村 真宏 大阪大学大学院経済学研究科教授
ゴミのポイ捨てから防犯,運動,食生活に至るまで,社会的課題の多くは私たち自身の行動が作り出している。したがって,私たち自身の行動を変えることがそれらの課題を解決する最も素直な方法になる。
「仕掛け」は,人々を特定の行動にいざなうキッカケになるものである。また,仕掛けは行動変容を強制するものではなく,行動の選択肢を増やすものである。したがって,上手い仕掛けを作ることができれば,人々が自ら進んで問題を解決するような環境を創り出すことができる。
そのような仕掛けは我々の身の回りに溢れている。本ワークショップでは,冒頭に30分程度,仕掛学への理解を深めてもらうための事例紹介や発想法といったミニレクチャーを行い,その後,解決すべき課題を設定して,その課題を解決する仕掛けのアイデアを考えるワークショップを行う。
会場:κ(カッパ)館11
若新 雄純 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授,株式会社NewYouth代表取締役
2ちゃんねるやニコニコ動画などのネットサービスで一般化し,根強い人気と不信感でいっぱいの「匿名チャット」。その無責任さやあやしさなどの暗部に目がいきがちですが,試行錯誤や模索が必要な場においては,使い方次第で,参加者を「立場」や「評価」から解放していろいろな意見や情報を引き出し,世代や価値観を超えた知識の共有や共感を高め,偶発的な気づきの連鎖や想定外のコラボレーションを可能にしてくれます。
教室の全員でアプリケーションを用いて,アクティブラーニングとは何かを「学び合う」空間を一緒に楽しみながら,「創造する学び」を実現するファシリテーションの手法を体験的にお伝えします。
参加条件:スマホをお持ちの方。匿名チャットを用いた学びの場に可能性を感じる方と懐疑的な方の両方。
世代や立場,価値観を超えた議論や学びの場をつくること,そのファシリテーションにご興味のある方。
<ワークショップ型>
会場:ι(イオタ)館23
このセッションでは,デジタル教科書のプラットフォームを活用した電子教材(PowerPoint,Word,PDF)の活用事例の紹介と操作体験を行います。主催者が所属する学園の看護養成校は1学年80名の学生が学んでおります。平成27年よりデジタル教科書を39冊導入しました。約80%の教科書のデジタル化が完了しました。さらに,平成28年より教材の電子化に取り組んでいます。今回は活用事例・システムの仕組みの紹介と操作体験の2部構成です。
活用事例・システムの仕組みの紹介では,導入から現在の運用までをお話します。次に,デジタル教科書や電子教材の登録・配信の仕組みを説明します。さらに学校管理者がOfficeファイル,PDF,動画の登録する方法や制限事項を説明します。
デジタル教科書体験では,iPadで大学生向けのデジタル教科書と電子教材の基本操作の内,よく使われる機能等の体験を行います。今回はiPadを40台準備しました。限られた時間ではありますが,デジタル教科書の活用をご体験いただけたら幸いです。
会場:ε(イプシロン)館24
情報セキュリティインシデントの発生が報道されても,当事者により体験が語られる機会は多くない。また,情報セキュリティは「難しい」とのイメージから,「専門家・部署の課題」とみなれがちである。しかし,いつ誰が被害に遭い,加害者となるかもしれないのが現実であり,いざというときのスキルは実践的な訓練の中でこそ身につくものである。
また,教育機関で扱う機微情報は多岐にわたり,漏洩時の賠償が高額になることも予測され,時と場合により,児童・生徒・学生の将来にも悪影響を与えかねない。
そこで,JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)企画のカードゲーム「セキュリティ専門家人狼」を通じて,情報セキュリティインシデントを「情報処理に関わる者なら誰もが直面し得る課題」として捉え,実践的なトレーニングの機会を設けたい。なお,6~7人を1チームとして1ラウンドのゲームを行った後,レビューを通じて対応を考察する。
会場:ι(イオタ)館21
論理的な内容における従来の教授法は,手順に分解して数式を用いて伝えた。これは,厳密ではあるが意味が伝わりにくい。最初に意味を伝えその後厳密に教えれば非常に分かりやすい。そこで,論理を初期状態を最終状態へ変換する駆動則とみて,状態が変わるごとにこれを視覚化し,視覚的に論理の意味を理解する方法論を考えこれを動視化と名付けた。これにより,従来伝えがたかった内容をほぼ一瞬に伝えることが出来る。初期状態は学習者が任意に設定でき,学習者の興味・関心を非常に高めるので,いま望まれている自律的な教育法の一つとなり得る。
コンテンツは,数学に関しては小・中・高の全部,確率,統計,線形代数,微積,複素関数等その他アルゴリズム,管理工学,金融工学,図形等である。Youtubeを開き“動視化技術研究所”で検索すれば,内容の一部がみられる。
会場:ι(イオタ)館22
(Windows用)関数電卓型フリーソフトであるMicrosoft Mathematics(MSMath)の経済学教育における活用を取り上げる。MSMathは①プログラミングの知識が要らず,②フリーソフトであり,③直接式を視覚的に確認しながら微分・行列・統計代表値計算,n次・連立方程式の多くの求解,並びに式からのグラフの描写・(速度を調整した)アニメーションが可能である。更には本体以外にMSWordのアドインもあることから④MSWordでの直接の活用が可能である。本特徴は学部生が近代経済学の理論を扱い,理論を入れてのゼミ発表や卒業論文制作等で,従来のソフトではカバーしきれなかった有益な点である。近代経済学の学部理論教育等での講義資料作成を始めとする教員の利用に留まらず,基礎理論の復習や深い理解,卒業論文に挿入する図の作成や式の簡単な計算など学部上級時における利用の可能性も広がる。
<交流型>
会場:ε(イプシロン)館12
大学生協PC講座は約100大学で開講され受講生も17,000名に至っています。取り組まれている各生協では独自な取り組みや工夫がされている一方,学習内容の取捨選択,講師・TA・GAの育成,受講者間のレベル差への対応,出席率やキャンセル率の悪化といった共通の課題や問題も見受けられます。
そこで今回のイブニングセッションでは,これら共通の問題や課題のいくつかをテーマとして取り上げ,少人数のグループに分かれて情報交換や議論をし,交流を深めていきます。
PC講座に関わられている学生スタッフ,生協職員・理事の方々はもちろん,情報教育に関する知見をお持ちの研究者・教職員の皆様のご参加を歓迎します。
なお,このセッションで取り上げたい問題や課題がありましたら,下記宛にご連絡ください。
連絡先:大学生協九州事業連合 学び支援グループ 藤井 諭
会場:Σ館生協south食堂
IT技術の進歩により,私たちの生活は大きな変化を遂げています。毎年多くの教育関連企業の方にご出展をいただいております。各分野の「最新」「最先端」の技術の情報が入手でき,実際に機器やソフトを試すことができます。教育・研究素材の収集や交流の場として大変好評を得ております。ぜひ会場にお寄りください。
口頭発表 8月6日(日)9:00−11:55 15:30−17:25 / 8月7日(月)9:00−11:25
ポスター発表 8月6日(日)14:00−15:00(発表者立ち会い時間)
A: ふれよう!異文化教育
B: 奏でよう!協調学習
C: かがやけ!小学校教育(1)/考えよう!知財教育
D: イノベート!日本の教育
E: つくろう!デジタル教材
F: 活かせ!教育データ
G: 見つめよう!大学教育(1)
A: つながれ!モバイル環境
B: はばたけ!小学校教育(2)
C: 使って!教育メソッド
D: 飛び出せ!教室外学習
E: 支えよう!多様な学習
F: 変わる!外国語教育
G: 歩もう!生協(1)
A: まるわかり!情報の可視化
B: 深まれ!アクティブ・ラーニング
C: すすめ!プログラミング教育
D: 伸ばせ!高校教育
E: 引き出せ!大学教育(2)
F: はぐくめ!生協(2)
*開始時刻が変更になりました。
CIEC団体会員による各団体の最新の製品・サービス等やそれらを用いた事例・成果についての発表セッションです。質疑応答や意見交換等も行います。
09:00~09:25
シネックスインフォテック株式会社・エルゴトロン エルゴトロンで実現する快適作業環境
~人間工学とマルチモニターの有効性~
09:30-09:55
株式会社ワークアカデミー noa出版 リファレンス動画を活用した情報授業実践事例のご紹介
10:00~10:25
株式会社ナレロー ナレローの学習効果分析とアクティブラーニングを支える独創的学習スタイルの開発
10:30~10:55
日本マイクロソフト株式会社 学びを豊かにする Surface のご紹介
11:00~11:25
株式会社 内田洋行 アクティブ・ラーニング支援システムのご紹介
11:30~11:55
富士ゼロックス株式会社 「Smart Work Gateway」で生産性向上
(敬称略)
会場:Σ館生協食堂
2日目の夜に行われるレセプションは参加者のみなさまを歓迎する立食パーティです。和やかな交流,懇談の場です。お気軽にご参加ください。(参加費:5,000円)
会場:Ω(オメガ)館11
2016年12月に行われた第109回中央教育審議会において,2020年度から始まる予定の次期学習指導要領の答申が示された。答申では,プログラミング教育を「将来どのような職業に就くとしても,時代を超えて普遍的に求められる『プログラミング的思考』などを育むもの」としている。また,その中で「プログラミング的思考」とは,「自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組合せが必要であり,一つ一つの動きに対応した記号を,どのように組み合わせたらいいのか,記号の組合せをどのように改善していけば,より意図した活動に近づくのか,といったことを論理的に考えていく力」と定義している。しかしながら,より創造的な活動を行うためには「動きの組み合わせや記号の対応」といった思考の前に,自分が意図する一連の活動を定式化し問題解決のための手順となるように意識する力を持つことが必要となる。
このセミナーでは「Computational Thinking」をそのような意識を持つために必要な力として捉え,問題発見から問題解決へ導く力を育む教育とはどのようなものかについて考えていきたい。
前半のPart1では,韓国でのプログラミング教育の事情と企業が求めるスキルについて話題提供していただき,後半のPart2では,小・中・高での発達段階に適したプログラミング教育が実施されていく中で,技術・家庭科や情報科だけでなく,教科で展開できる「Computational Thinking」にフォーカスして議論を深めていきたい。
会場:Ω(オメガ)館12
大学生協の電子書籍ビューアを活用した授業が2016年度より本格的に開始され今年で2年目となります。2017年度は,全国大学36授業で電子教科書の導入が進みました。その中から,授業改善の視点で積極的に活用している事例をご紹介します。
学生が授業前に事前学習をしているのか,どのようなメモを取り,どういうところにマーカーを引いているのかなど従来は把握できなかった情報を入手し,授業に生かしていく。授業の中で学生がどのような意識,考え方をもっているのかをアンケートをし,リアルタイムで集約分析し,把握するなど電子教科書を活用することにより,学生を身近に感じて授業を進められる可能性も広がります。
また,市販の出版社のテキストだけでなく,教員自作のテキスト,毎回講義の際に配布する講義資料も入稿しこのビューアの諸機能を活用している教員の授業準備,授業の進め方なども大変興味のあるところです。
特に,学生の自習状況の把握,学生の意識集約など従来型授業では実現しなかった機能などを活用した授業改善の取組を2名の教員から報告し,参加者とともに今後のアクティブラーニングの可能性を探ります。
会場:ι(イオタ)館12
CIEC会誌『コンピュータ&エデュケーション』誌は,1年に2回のペースで刊行し,会員の皆様のご理解の下,これまでに42巻刊行することができました。会誌をより充実させることを目的に,PCカンファレンスでは2009年以来,編集委員会がセミナーを開催しておりますが,「会誌『コンピュータ&エデュケーション』 をより良くするために」という一貫したテーマのもと,論文の書き方,リサーチの方法,なぜリジェクトされるのか,歓迎される原稿とは,求められる論考と期待される内容,教育調査データの活用などについて皆さんと考えてきました。
本会誌は,「教育」をキーワードに様々な分野から,コンピュータやネットワークを活用した理論・実践に関する論文投稿が見られるのも本誌の大きな特徴の一つです。しかもともすると,投稿論文の中には,推敲が不十分なものや議論が不足しているものも散見され,もう一歩のところで不採択となるケースが少なからずあります。そこで今回は,「論文」「事例研究」について,せっかくの論文の質をもう一歩高めるためのポイントを,様々な角度からわかりやすく解説したいと思います。それはおのずから研究の質を高めることにもなりましょう。
今回のセミナーにふるって参加下さり,『コンピュータ&エデュケーション』誌への投稿をお考えいただく機会にしていただければ幸いです。
会場:Ω(オメガ)館22
大学生協では店舗・食堂運営,各種イベント,PC講座,新入生サポートセンターなど様々な事業が行われており,役職員に加え学生スタッフがそこに関わっています。現場では現実の問題や課題に対処し,成果を出すことが求められます。そして,それらの場の顧客や参加者だった学生の一部はスタッフサイドにまわり,スタッフの一部はリーダーとなって後輩を指導し,さらには生協職員として入職し,各事業を担当するといったように,気づき・学び・考えながら立場を変え,サービスを受ける側→提供する側,指導される側→指導する側といったように,立場が変わることで得た新しい視座からさらに新たな学びがされている姿も見受けられます。 このように生協は,「学びのために仕組まれた場」ではない,まさにアクションラーニングの場といえるのではないでしょうか?
そこで本セミナーではアクションラーニングの場としての生協について
1)学びの場としての再認識?なにをどのように学べるか・学んだか?
2)よりよい学びの場とするために何をすべきか
といったことを議論していきます。
司会 北村 士朗 熊本大学 教授システム学研究センター, CIEC副会長理事
会場:ι(イオタ)館11
MERLOT(Multimedia Educational Resource for Learning and Online Teaching)とは,カリフォルニア州立大学(CSU)が中心となり高等教育における学習・教育の質向上のためのオンライン教材の集約・開発を目的とした国際協力団体です。CIECでは学会のグローバル活動の一環としてMELROTプロジェクトに参画しています。そして,過去2回にわたりワークショップを行いCIEC会員にプロジェクトへの参加を促してきました。そしてその中で話題になったことの一つがオンライン教材に関する著作権の権利処理の問題でした。
この問題は,オープンエデュケーショナルリソース(OER)の配布が著作権法の「公衆送信」にあたるため,現行では配布に関してさまざまな制限がかかることに関係します。これは著作権法第23条が規定する「公衆送信権」が存在するためですが,一方で同法には第35条第2項が存在し,教育機関における公衆送信をきわめて限定された状況で権利制限している現状があります。文化庁ではこれらのことを見直すために,文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会にて議論を積み重ね,「中間まとめ(案)」(2017年2月24日)を公表しました。
このセミナーでは,わが国の著作権の最近の動向を踏まえ,CIEC会員がMERLOTへ教材提供するだけでなく,OERでの権利処理に対する理解を深めることを目的に活発に議論する予定です。
1.オープンエデュケーショナルリソースとしてのMERLOTの可能性
2.オープンエデュケーショナルリソースの権利処理の実状
3.質疑応答
2017PCConference
実行委員会事務局
ご意見・ご質問はこちらの連絡先へお寄せください。
〒166-8532