分科会タイムテーブル 詳細

所属は2006年4月5日現在のものです。

開催日時別一覧

上の開催日時に対する会場は下記の通りです。

e-ラーニング

1 野外と教室とをリンクしたe_learinigの試み
従来のe_learningは、学習者に提供するコンテンツを予め用意し、学習者はサーバーから提供される教材を基に学習を進めるのが一般的であるが、著者は新しいe_learnigの一つの形として、野外の観測現場からリアルタイムに学習用教材の一部を提供し、その教材を基に学習を進める方法を提案する。具体的な試行事例として、山岳地帯と教室を結んだ実施例を紹介する。現地からの教材の提供は、携帯を活用した野外学習支援システムRealなびを活用している。このシステムを活用することで、現地から教室に向けて、写真、動画、位置情報などがリアルタイムに提供され、学習はこの情報とリンクしたe_learinigツールを使って教室で学習を進める。
登壇者新井 正一(目白大学)
2 e−Learningによる技術者倫理教育
技術者倫理教育は、近年の科学技術による重大事故が多発している中ででますます重要になってきている。しかし正規の授業で行うには困難が伴う。しかも教科の性格上、座学だけでなく、仮想体験を組み込んだ実践例が望まれている。本報告は、技術者倫理教育のコンテンツを作成し、授業を補完するツールとして活用している。事例研究の階層分析ツールも作成しその有用性と今後の問題点などについても報告する。
登壇者鈴木 好夫(室蘭工業大学)
共著者安居 光国(室蘭工業大学)
3 MBCを用いた学習傾向の分析
高等教育において、eラーニングのみでも単位取得が可能な科目の開設が進みつつある。しかし、高等教育におけるeラーニングでは、資格取得など目的の明確な分野に比べ、受講者の目的意識が低いために途中で挫折するケースも見られるとの報告がある。これは自己管理のもとで学習を行うため、途中でのつまずきや集中力の欠如などが原因のひとつと思われる。本研究では、これらのつまずきや集中力などの受講状況がマウスの動きにも見られる可能性があると考えた。前回の報告では、マウスの操作情報からeラーニング学習中の受講状況を把握するMBC(Mouse Behavior Capture)手法を提案し、マウスの操作情報から受講状況把握の可能性を示した。本報告では、教材に対する学習姿勢を見るために、マウスの操作情報とテストの成績との関連性に着目することで、マウス操作の典型的パターンを見つけることを目的とし、受講者の事前知識や教材の内容に応じた仮説を立て検証を行った。
登壇者飯渕 大吾(札幌大学大学院)
共著者大森 義行(札幌大学) 、堀江 育也(札幌大学女子短期大学部) 、鈴木 卓真(有限会社テックワークス)
4 課題提出型授業支援システムの開発と運用
情報システムの発達により、授業中にリアルタイムで課題の作成や提出などを学生に課すことが容易となり、文科系でのレポート作成授業や理科系での演習授業などで実施されている。しかし、各大学等で用意されている大規模な授業支援システムではなく、教員が個人で授業支援システムを運用したい場合がある。近年、講義資料や課題の提示に限れば、Webページや掲示板などを用いて、個々の教員が簡単に実現することができるようになったが、特殊な条件が求められる課題収集や採点などの機能が実現可能な汎用的ツールは見当たらない。本研究では、学生教員間のコミュニケーションを基盤とする課題提出型授業と、それに適合的で設置、運用の容易な授業支援システムについて検討し、それを反映した課題収集評価システム「WebTA」を開発した。さらに、このシステムを用いた授業を受講している学生に対して、使用感や効果についてのアンケートを行う予定であるので、その結果も報告したい。
登壇者下倉 雅行(大阪大学)
共著者田中 規久雄(大阪大学) 、西本 実苗(関西学院大学) 、河俣 英美(大阪大学)
5 学習者特性対応型 e ラーニングシステムによる知識保持能力の検証
学習者の特性を「知識レベル」に設定した知的支援機能を実装する学習者特性対応型eラーニングシステムを構築した。特性対応型のシステムの短期的な学習効果はすでに先行研究で実証されているが、長期的に見た学習にも効果について調査・実験した例はほとんどなく、本研究ではこの点を明らかにしようとした。
実証実験では、ユーザーを対応型システム利用グループと非対応型システム利用グループに分け、教材利用直後のテストと、学習後1ヶ月間を置いた後のテストの2つの結果から、2つのグループの長期的な知識保持について比較を行った。
実験の結果より、当初懸念していた「効率的な学習パスを提供する対応型システムは非対応型システムに較べ長期的な知識保持能力が劣る」という問題点は無いことが判明した。また、すでに先行研究でも示されたように、学習効率やユーザーの学習継続意欲の維持などにも有効性が見られた。
登壇者中村 峻(東京工科大学バイオ・情報メディア研究科)
共著者深井 博(Yahoo) 、稲葉 竹俊(東京工科大学)