分科会タイムテーブル 詳細

所属は2006年4月5日現在のものです。

開催日時別一覧

上の開催日時に対する会場は下記の通りです。

小中高におけるITの利用(1)

1 肢体不自由養護学校における電子情報ボードを活用した授業改善の取り組み
プロジェクタでスクリーンに映し出した画面に電子ペンで書き込むことが出来る電子情報ボードを利用した取り組みについて報告する。電子情報ボードは、これまでと同じように手書きで板書しながら授業が行えるとともに、PCの画面、画像、動画などの様々な素材を投影しながら直接書き込みをして授業が行うことができる。また、画面や板書内容を動画や静止画で保存することができるので、後で見かえしたり、児童生徒に印刷して配布したりすることが可能になる。これにより、様々な教材を効果的に提示することができ、生徒の理解をさらに深めることができる。本報告では、電子情報ボードを利用した実践で得られた効果的な利用法、そして、利用におけるメリット、デメリットについて報告する。また、電子情報ボードを教員と児童生徒で相互に活用するための本校での試みや障害を持つ児童生徒が利用する場合の工夫についても報告する。
登壇者白石 利夫(筑波大学附属桐が丘養護学校)
共著者篠原 吉徳(筑波大学) 、生田 茂(筑波大学) 、越田 益人(筑波大学附属桐が丘養護学校) 、原 義人(筑波大学附属桐が丘養護学校) 、大川原 恒(筑波大学附属桐が丘養護学校) 、杉林 寛仁(筑波大学附属桐が丘養護学校) 、宍戸 信彦(株式会社アシスト) 、李 禧承(筑波大学) 、菅野 和恵(筑波大学)
2 「情報収集、判断・選択」に重点をおいたカリキュラム開発とその検証
現在、小学校では児童がインターネットで情報収集に取り組む場面が多く見られる。教科書中にもインターネットを使った調べ学習を促す記述があり、情報収集を行う一つの媒体として定着している。都内A小学校児童105名を対象に調査したところ、児童は検索サイトなどを活用し情報を検索しようとしても、自分が必要とする情報にたどり着けず、情報収集の意欲を低下させていることや、情報の信ぴょう性を検証せずに使用していることが明らかとなった。しかし、教師が児童に指導する際の拠り所となるカリキュラムや指導資料がなく、その開発が急がれることが都内公立小学校9校115名の調査でわかった。そこで、児童に、インターネットを活用した“情報収集、判断・選択”の力を効果的に身に付けるためのカリキュラムを開発し、前述の105名の児童を対象に効果を測定した結果、有効であることを確認した。
登壇者松波 紀幸(八王子市立清水小学校)
共著者大熊 雅士(東京都教職員研修センター) 、長南 良子(東京都教職員研修センター) 、福島 健介(八王子市立七国小学校) 、生田 茂(筑波大学附属学校教育局)
3 幼小中一貫におけるマルチメディ教育の教材・単元開発ー3−
広島大学附属三原幼・小・中学校では、幼小中の教師で構成されている「マルチメディア学習研究開発部会」において一貫カリキュラムの開発をすすめている。その中で、幼稚園における「マルチメディア学習」の活動のあり方をさぐり実践を行って3年目である。我が園では今までマルチメディア学習の視点から保育を見直したことがなく、ゼロからのスタートであった。他園での先行研究では、パソコン使用の実践例などが挙げられているが、そのような活動に留まらず本来の幼児の活動を見直す中から「幼稚園におけるマルチメディア学習とは何だろう?」「小・中学校に繋げる活動内容は、どのようなものがいいのだろうか?」など素朴な疑問からの実践を行ってきた。子どもたちの日頃の活動を見直したり、新たに教材を開発したりしながら実践を積み上げてきた。今回は、その中で「音が伝わる」ことを幼児なりに感じたり、音声と保育者の手作り映像との融合を体験したりする活動の実践例を中心に発表する。
登壇者金岡 美幸(広島大学附属三原幼稚園)
共著者山本 透(広島大学大学院教育学研究科) 、簑島 隆(広島大学附属三原中学校) 、大和 浩子(広島大学附属三原中学校) 、山崎 裕昌(広島大学附属三原中学校) 、三田 幸司(広島大学附属三原小学校) 、谷川 佳万(広島大学附属三原小学校) 、横村 弥生(広島大学附属三原小学校) 、長松 正康(広島大学大学院教育学研究科)
4 よみがえれ!総合的な学習の時間
日本の社会全体に、効率主義、結果主義の風潮が勢いを増している。学校教育は、長い間の詰め込み教育、プロセスより見栄え重視の行事教育への反省から、「自ら課題を設定し、自ら進んで課題を解決する能力を育てる」学習方法の大きな転回を始めたはずであった。 ところが、教育方法と教育観の大きな転回であるにもかかわらず、船が岸辺を離れたばかりで、まだ流れに乗る前から、マスコミ、業界、各種団体の「成績が下がったんじゃないか、先進国の中で算数が何番になった、とか」の流れにさおさす動きが始まり、文科省のダッチロールが始まった。旅立ちを始めたばかりの「総合的な学習の時間」の定着発展にとって、大きな障害要因である。 息の長い教育改革の動きはこんなことでは、逆戻りすまいと信じつつ、小学校3年生の総合的な学習の時間の年間の様子を紹介したい。その中で、情報機器の活用が大事な部分を占めていることも紹介していきたい。
登壇者藤井 敏晴(八王子市立東浅川小学校)
5 学力向上と自由な発想を共存させる躾教育
コンピュータを利用した教育だけではなく、全ての学びの場において「自由な学び」と「トレーニング」を共存させる為には、水と油を共存させる際に必要な界面活性剤のような、両者の掛け橋となるものが必要となる。私は教員ではなく、NPOの立場で学校教育に関わりを持った事で小中高全ての教育現場において、教員と共に授業案を作成し実践してきた。そして教員研修も行ってきた。この経験から導き出した新たな学びを生み出すキーワードが「躾教育」である。コンピュータは児童にとっては大好きなおもちゃであり、生徒にとっては何でも出来る魔法の箱。なぜか教員にはパンドラの箱と思われているようであるが、良くも悪くも誘惑の多い存在である。そのコンピュータを利用する教育の中に、躾の要素を加えたカリキュラムを作成し実践した結果、小中高それぞれが担うべき教育上の役割分担が明確となり、「自由な学び」と「トレーニング」を共存させ、学力向上へも結びつけるコツが見えてきた。
登壇者河口 紅(特定非営利活動法人さんぴぃす)
共著者大脇 巧己(特定非営利活動法人さんぴぃす)