分科会タイムテーブル 詳細
所属は2006年4月5日現在のものです。
開催日時別一覧
上の開催日時に対する会場は下記の通りです。
情報倫理とセキュリティ
1 | 新規領域の人財育成におけるメディア活用〜「知財人材総合戦略」を例に〜 |
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政府の「知財立国」推進の中で、「知的財産人材育成総合戦略」が策定された。知的財産の創出・保護権利化・活用のサイクルに寄与する人材は、単に知財専門家だけでなく、研究者から次世代を担う子供達までをも含む。さらに一般市民も知財を尊重することが求められる(例えば模倣品・海賊版の追放等)。そこで、人財育成は、専門教育のみならず、「知財民度」を高める一般的な普及啓発まで含む。 筆者は、本総合戦略の策定に関わった一人として、このような「先端的な新規領域」における人財育成に関する基本コンセプト、方法論、実践的展開等について議論を続けている。 本論では、これらの経験から得た知見を報告すると共に、そこにおけるメディアの活用の可能性(とその限界)について論じることとしたい。 |
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登壇者:妹尾 堅一郎(東京大学先端科学技術研究センター)
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2 | 東北大生協における情報倫理講座の発足とその影響 |
東北大学生活協同組合では、2004年度から東北大学との間で正規の共同研究契約を締結し、産学連携によりパソコン講座の質の向上を図った。具体的にはオープンソースソフトウェアのライセンスや歴史を学ぶ、著作権の問題に関して身近な事例を作ってディベートを行わせる、総合サポートデスクでインシデント相談にも対応する等数々の新しい特徴を有する情報倫理講座を立ち上げた。このような枠組みを作った結果、スタッフが創造的な意見を言うようになり、応用セキュリティ講座、起業家育成講座など、パソコン講座の域を超えた企画が多数出現し、大学生協のビジネスモデルのあり方にさえ一石を投じようとしている。本発表では情報倫理講座における学生、教員、生協職員の役割と協調のあり方を分析し、イノベーションを生み出した要因を明らかにしたい。 | |
登壇者:浜田 良樹(東北大学)
共著者:金谷 吉成(東北大学)
、高橋 望(東北大学生活協同組合)
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3 | 情報モラルを学ぶためのディジタル教材とWebルールブックの開発 |
現在、情報モラルを学ぶためのコンテンツはWeb上に数多く存在する。しかし、それを活用した授業はスキルの教え込みだけで終わっていることが多い。また、児童は知識として情報モラルを理解していても情報モラルに反する行動をとってしまうことがある。それは、インターネットの特性である便利さやおもしろさから好奇心をかき立てられ、いつの間にかインターネットの誘惑に入り込んでしまうからである。 本研究では、児童がインターネットの誘惑に負け、アクセスしてしまうような問題解決型ディジタル教材とそれに対応したWebルールブックを開発し活用した。問題解決型ディジタル教材で情報モラルに反する行動を「疑似体験」、ディジタル教材の流れに沿ったWebルールブック(自己評価カード)で「振り返り」、その行動がなぜ情報モラルに反しているのかを考えさせる「気付き」の一連の流れを「情報モラル育成のための構想モデル」に示し、その有効性について検証した。 |
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登壇者:国分 靖(葛飾区立こすげ小学校)
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4 | 中学「総合的な学習の時間」事前学習としての情報モラル指導実践 |
芦別市立啓成中学校では、総合的な学習の時間に探求活動を行っている。昨年度の探求活動では、インターネットで収集した画像や文章を適切な手続きをすることなく利用する生徒が多く見受けられた。そのため、情報を適切に収集し活用する方法、著作権や肖像権などについての知識と態度を、探求活動を行わせる前に、生徒に身につけさせる必要がある。本研究では、情報を適切に収集し活用するための知識と態度を育むために、総合的な学習の時間の探求活動の事前学習として情報モラル指導を実践した。情報モラル指導は、学年の進行に合わせて段階的に行い、学年毎に題材を設定して扱った。指導実践の評価は、探求活動における生徒の活動状況、生徒が書いたふり返りシート、探求活動指導教員に対するアンケートによって行った。生徒の活動において、情報の比較・検討を行ったり、画像や資料の出典を表記したりする態度が見られるなど、情報モラル指導を探求活動の事前指導として行った成果が現れた。 | |
登壇者:八木橋 毅(北海道教育大学 大学院 旭川校)
共著者:村田 育也(北海道教育大学 旭川校)
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5 | 東北大生協情報倫理講座における応用セキュリティ教育 |
東北大学生活協同組合主催で行なわれた2005PC&情報活用講座では、前期に著作権の尊重やネットワーク犯罪などの基礎的なセキュリティ意識を身につけるための情報倫理講座を開講した。情報倫理に関する教育は総論になりがちで、受講生からも「具体性に欠ける」「内容が浅い」などの意見が出された。これを受けて後期には情報倫理講座発展編ということで、具体的な場面におけるITリテラシーの活用や通常の講座では学ぶことのない特殊なスキルについて扱い、情報倫理の実践的な学習をめざした。この講座は自由なキャリアデザインという観点から5つの内容からの選択性とし、受講生は各々の興味関心に従って受講した。本稿ではその内容の中から特に「総合セキュリティ講座」「blogを開設しよう」「フリーソフトで遊ぼう」について紹介し、応用セキュリティ教育の意義と展望について論じる。 | |
登壇者:金谷 吉成(東北大学 大学院法学研究科)
共著者:飯塚 聖司(東北大学 農学部 資源環境経済学系 3年)
、中村 智之(東北大学 工学部 電気情報・物理工学科 3年)
、高橋 望(東北大学生活協同組合)
、浜田 良樹(東北大学 大学院情報科学研究科)
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