分科会タイムテーブル 詳細

所属は2006年4月5日現在のものです。

開催日時別一覧

上の開催日時に対する会場は下記の通りです。

言語学習

1 グラフ理論を用いた日本語連想作文支援システムの開発と評価
本研究では、グラフ理論を語彙関連に適用する試みの結果として、単語の連想情報を検索可能にするウェブベースの言語学習システムを提案する。すなわち、単語間の自由な連想に基づく連想概念辞書から、グラフ形式の意味ネットワークを構築し、そこにグラフクラスタリングを施して、類似の単語群を概念クラスターとするサブグラフ群を抽出する。さらにその概念クラスター間に連関を再構築し、単語間ばかりでなく概念間の曖昧な連想関係まで出力できるようにした。「連想作文支援システム」ACSSにおいては、この仕組によって、単語の様々な連想情報をユーザーにもたらし、言語表現を想像力豊かなものにするとともに、新しい言語を学習する際にも、ユーザーは未知の単語を孤立したものでなく他の単語の星座のうちに位置づけることができる。このような意味論的な支援が、柔軟な単語学習と自由な作文学習の点でどの程度効果的であるか検証を行う。
登壇者鄭 在玲(東京工業大学)
共著者三宅 真紀(東京工業大学) 、馬越 庸恭(東京工業大学) 、赤間 啓之(東京工業大学)
2 オンライン・コミュニティにおける「学び」と「言語習得」
インターネットの普及により、海外の人たちと簡単にコミュニケーションを図ることができるようになってきている。利用者は、言語を学習することを目的としているのではなく、お互いの文化・習慣について興味があったり、人と人とのコミュニケーションを目的としている場合が多い。そうしたインタラクションにおいては、言語習得を目的とした場合の学習と比べて、いつの間にか語学力が向上していることを実感することがよくある。本発表では、オンライン・コミュニティにおけるコミュニケーションのあり方を分析し、日本人の英語力を学習と意識せずに向上させるための方法論について考察する。さらにオンライン・コミュニティにおける学びの実践として、英語を媒介とした多文化理解のためのオンライン・コミュニティをMOODLE上で構築し、コンテンツのあり方について検討する。
登壇者廣澤 周一(立命館大学院言語教育情報研究科)
3 セマンティック・ウェブ・アウェアな言語学習リソースのための基礎研究
現在ネット空間には無数のウェブ・ページが存在する。ウェブ・ページは第一義的に“人間が読む”ことを前提としているが、各種のメタ情報を書き加えて“コンピュータが読む”ことをその前提に加えて、セマンティックなウェブ空間を構築する動きが昨今注目を集めている。セマンティック・ウェブの世界では、個々のウェブ・ページが持つデータに適切な意味づけがなされており、その結果、データの共有や活用が今まで以上のスケールで可能になると考えられている。本研究では、言語学習のリソースとなるウェブ・ページをセマンティックに記述するための基礎的かつ汎用的な概念を提唱し、その活用と今後の課題について検討を行う。
登壇者木村 修平(立命館大学大学院言語情報教育研究科)