分科会タイムテーブル 詳細

所属は2006年4月5日現在のものです。

開催日時別一覧

上の開催日時に対する会場は下記の通りです。

小中高におけるITの利用(2)

1 情報教室における「学び」 - 歴史の授業において -
2003年度からの情報教室を利用した歴史授業において、「学び」は質的に転換することを余儀なくされた。その実践における変化を、活動理論の枠組みから捉えなおすことによって、一般教科におけるICT利用の停滞を打破する可能性と課題を検討する。従来の教室とは異なる空間と設備を媒介とし、教師と生徒が作る多様な視点と様々な興味が結びついた活動システムとして歴史授業を捉えたとき、そこには、多くの差異と緊張が存在した。それらを解決しようとする過程で、授業形態や教材は変化し、さらにお互いが共有できる意味を求めて、歴史授業の必然性を問い直すことになった。すなわち、知識を教えるための授業から、過去をとおして現代を考えるための授業へ、さらに社会に参加し変革を生み出す契機を提供するための授業へと変遷していった。今後は、学校の境界を越えた人々のネットワークを形成し、なお残る多くの問題を克服することを課題とする。
登壇者大木 誠一(神戸国際大学附属高等学校)
2 「児童による学習用語マップの作成を重視した授業展開とその効果」
学習指導要領によると、「確かな学力」とは単なる知識の量のみではなく、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力まで含めて学力ととらえている。しかし、小学校現場において、児童が主体的に自分の思考プロセスを振り返り、考える力を深めていくような学習活動は少ない。そこで本研究では、学習内容・実験結果などを基本的な学習用語を活用して図式化する「学習用語マップ」にまとめる活動を授業で実践し、その学習効果について明らかにすることを目的とする。本発表では、小学校理科の授業実践の中で児童が継続して作成するのに適当な「学習用語マップ」の形、効果的な学習展開例を紹介し「学習用語マップ」の有効性について報告する。
登壇者穴澤 真由子(三重大学大学院(鈴鹿市立旭が丘小))
共著者下村 勉(三重大学教育学部) 、須曽野 仁志(三重大学教育学部)
3 小学校教師の情報活用能力が指導に及ぼす影響
小学校では、情報活用能力の育成に関して指導要領に明示された内容・指導方法は存在しない。一方、教科・領域での情報に関する指導は、ほとんど学級担任教師が行っている。個々の教師の情報活用能力や情報に関する知識・技能には差異が存在する。したがって指導時数や指導内容にも学校・学級間の差異があることが、筆者らの調査で明らかになってきた。このことが、担任する児童の情報活用能力に何らかの影響を与えるのではないかと考え、調査を実施した。115名の教師を対象としたアンケートおよび予備的な検索に関する知識を問う「テスト」では、「情報」や「インターネット」に関する指導計画がほとんど無い?半数以上の教師が自身をもって「インターネット」について指導ができない?教師の指導に対する自信と検索テストの得点には有意差が見られる等のことが明らかになった。
登壇者福島 健介(八王子市立七国小学校)
共著者松波 紀幸(八王子市立清水小学校) 、島田 文江(八王子市立元八王子東小学校) 、生田 茂(筑波大学附属学校教育局)
4 児童の成長に伴う情報環境・検索能力の変容
昨年度、小学校4校の5年生と6年生にインターネットを用いた検索テストを実施し、検索テストの得点と実施学年、子どもたちの情報環境、学力との関係を詳細に検討し報告した。
今年度は、その4校の中から、担任が積極的に検索の指導をしていない1校を選び、小学校5年生と6年生を対象に同じ検索テストを実施した。5年生のときに検索テストを受けている6年生の今年度の成績が、昨年度に比べて良くなるという結果を得た。同じ母集団を対象に、同一問題を実施し、さらに担任も変わっていないのに検索テストの成績が上昇した原因について検討を加えている。得点の上昇の原因が、子どもたちの検索能力の向上によるものか、検索システムの機能の強化など他の要因によるものであるのかを明らかにしたいと考える。 また、来年度の5・6年生を対象に、新たに小学生向けの検索テストを用意し、学年進行にともない検索能力が向上するのか否かを明らかにする。
登壇者島田 文江(八王子市立元八王子東小学校)
共著者松波 紀幸(八王子市立清水小学校) 、福島 健介(八王子市立七国小学校) 、生田 茂(筑波大学附属学校教育局)
5 学習者の要求したヒントと正誤判定を加味した問題の提示順序に関する研究
演習は学習内容の理解を促すために行われる。個別学習を目的とした演習システムが効果的に機能するためには、学習者の理解度に応じて最適な順序で問題を提示する必要がある。著者らは以前、誤答問題の見直しを促すことを目的とした多肢選択問題の出題方式を提案した。この出題方式では、自信をもって解答できない時には無理に解答を求めず、自信をもって解答できるように学習者の要求に応じて各選択肢の解説を提示する。授業実践の結果、この出題方式が従来方式と比べて間違った理解の修正に効果があることがわかった。本研究では、この出題方式に加えて学習者が要求した選択肢の解説と正誤判定をもとに、学習者にとって最適な順序で問題を提示する方法について提案する。具体的には学習者が演習中に要求した解説の数と正誤判定などにより、2回目以降の問題の提示順序を変更する。これにより、演習がより効果的に行われるようにすることを目的とする。
登壇者田畑 忍(皇學館大学)
共著者森田 直樹(愛媛女子短期大学)
6 小・中学校でのオープン・ソース・ソフトウェア利用
京田辺市教育委員会は、コンピュータ教育開発センター(CEC)の平成17年度「Open School Platform」プロジェクトに採択され、小中学校でのオープンソースソフトウェア(OSS)利用実証実験を行った。 本発表では、その結果を報告する。
登壇者三輪 吉和(特定非営利活動法人 学習開発研究所)
共著者中島 唯介(京田辺市教育委員会)