分科会タイムテーブル 詳細

所属は2006年4月5日現在のものです。

開催日時別一覧

上の開催日時に対する会場は下記の通りです。

語学教育

1 Interactive Online Dictionary の開発
Interactive Online Dictionary(IOD) は、アルクと「英辞郎」の編者の協力を得て、135万のパラレルコーパスから「小中高大の英語教育をデザインする」うえで必要な「言語リソース・データベース」の構築に必要な「慣用表現(conventional modes of expression)」を抽出し、それらを、以下の辞書の関連項目すべてに関連付ける :「アルク 標準語彙水準12000」「概念辞典」「機能表現辞典」「英語・日本語発想辞典」「同義語辞典」「論文機能表現辞典」「English for IT」。また、慣用表現を使って学生たちが例文を英作し、添削された例文が登録されていく「参加型辞書」づくりのシステム開発を行っている。IOD が、いかに、書籍版辞書を電子媒体にして検索機能を装備した電子辞書やウェブ辞書とは違うかということについて論じる。
登壇者水野 邦太郎(慶応大学 SFC)
2 VOAデジタルコンテンツを利用した目的別英語学習コースウェアの開発
CIEC外国語研究部会では、研究活動の一環として、利用許可が認められているWeb配信のVOA番組を種々のメディアに対応した素材データベースとして構築し、高等教育への利用を推進している。今回は、オープンソース利用のウェブ学習支援システムを利用し、語学力のスキルアップを目的とするコースウェアの開発を試みた。本コースウェアは、4技能に焦点をあてたものである。リーディング(速読、精読)、リスニング(音のリダクションを習得するための部分聞取り、内容理解を目的とした全文聞取り)、ライティング(イディオム等を用いる制限英作文、トピックセンテンスを発展させるパラグラフライティング)、スピーキング(シャードーイングによる正確な発話練習)の技能別に学習を進めることで、弱点を見出しながら自律学習を促進することを目的としている。本発表では、開発の基本理念、コースウェアの構築方法、期待される教育効果について報告する。
登壇者鍛治 大佑(大阪教育大学大学院)
共著者石井 敦子(大阪教育大学大学院) 、吉田 晴世(大阪教育大学)
3 中国語四声弁別のためのCAIによる自習システム
前回の2005 PCカンファレンスで報告した、インタネットを介しての中国語声調の聴取の自習のためのCAIシステムについて、新たに次のような種々な検討を加えて、プログラムをさらに整備した。
1) PPT形式のシステムの操作方法の説明の前に、声調の音響的特徴についての解説を加えた。
2) 視覚表示するピッチパタンの図形の下に、音声波形を加えて、時間構造を把握しやすくした。
3) ピッチパタンは、喉頭調節の中性位からの上下変化の範囲で表現して、日本語の単語アクセントと比べて四声が2倍ほど広いことを意識するようにした。
4) 有声音の連続性に注目して、ピッチパタンの聴きやすさによって、表の単語を再編集した。
5) 2音節語の単語表に、2声と3声に集中した表や、軽声を弁別する表も加えた。
6) 成績の向上の履歴を利用して、次の表の自動選択や、誤答した問だけの再提示などのCAIプログラムを加えて、自習の所要時間の短縮を図った。
登壇者比企 静雄(早稲田大学)
共著者砂岡 和子(早稲田大学)
4 SymbianOS搭載携帯電話向け漢字学習支援システムの開発
日本語を外国語として学習する外国人にとって、漢字を習得することは時間的にも大きな負担となる。また、大学等における外国人への日本語教育では、学習者にとって、日本語を習得するには授業時間だけではとても十分とは言えず、漢字学習に及んでは授業でさえ満足に時間を割けないのが現状である。そこで、通勤・通学などの空き時間を利用して漢字学習ができるようSymbianOS搭載携帯電話を利用した漢字学習支援システムの開発を行った。本システムでは、違和感のない漢字を書けるように、ベクトル情報、筆記速度情報などを利用して必要な要素の分析を行い、「跳ね」や「はらい」、「折れ」、「曲げ」といった漢字独特の手法に至るまで指導できるようになっている。
登壇者大隈 翼(早稲田大学理工学部)
共著者藤田 真一(早稲田大学メディアネットワークセンター) 、成田 誠之助(早稲田大学理工学部)
5 誤用データ機能を備えるWEB中国語作文添削支援システム設計と開発
早稲田大学が実施する少人数ライブ型口語レッスン「チュートリアル中国語」プログラムに併設する、Web中国語作文添削支援システム『写作諸葛』の設計コンセプトと添削実績について、2003年から2005年の運用実績に基づいて発表する。
『写作諸葛』はオンラインでの字句添削に加え、統一文法添削マークを併用することにより、従来の添削者間の評価基準の不統一、添削記述方式の不統一を改善すると同時に、回収した作文添削データを誤用コーパスとして蓄積し、専用統計エディターで誤用分析を行う。誤用統計は個人およびレベル別誤用傾向を把握する資料となり、次回の出題や学生指導に生かされされる。
発表では、オンラインエディターの設計理念と、日本人中国語学習者用の誤用コーパスの開発、全8種類の誤用マークを使用した作文添削の実際、および添削した作文のデータベースへの保存と編集、検索統計の作業経過に焦点をあてて述べる。
登壇者砂岡 和子(早稲田大学)
共著者劉 松(早稲田大学)
6 映像教材作成支援システムの開発
外国語教育においては、非言語的要素の学習のため、映像教材が利用されることがあるが、映像から学習目的に応じた場面を自由に取り出して提示するのは、容易なことではない。そこで筆者らはXMLを利用した映像検索システムの開発を行っている。映像教材となる動画ファイルとその台詞情報が書かれているXMLファイルを用意し、XMLファイルを編集し台詞に属性付加をすることにより、映像ファイルを学習項目に応じて利用することができる。例えば、文法事項に関する属性をつけることにより文法を学習する教材を、話し言葉に関する属性をつければ書き言葉と話し言葉の違いを学習する教材を作ることができる。本システムの特徴として、XMLファイルを編集することにより、ひとつの映像コンテンツを複数の学習用途に利用することができるということ、教材を複数のユーザーが共有して利用できるということが挙げられる。
登壇者戸部 祐一(早稲田大学理工学部)
共著者保坂 敏子(日本大学総合科学研究所) 、藤田 真一(早稲田大学メディアネットワークセンター) 、森田 彰(早稲田大学商学部) 、成田 誠之助(早稲田大学理工学部)
7 コンピュータを用いたTOEIC模擬試験の実施
大学入学以後の英語教育では、個々の教員が学生の能力評価を行うため、統一した指標で学生の英語能力をチェックするシステムが存在していない。そのため、学生の英語能力が、入学以後、どれだけ向上したかを判断できないのが現状である。また、多くの学生は、入学一年か二年で、英語教育を終了してしまうため、卒業時までの英語能力の推移に関するデータも存在しない。これに対し、現在、多くの大学においてTOEICの利用が進められている。しかし、TOEIC試験の実施は、学生側にも、教員・大学側にも、負担が大きく、全学生に対して定期的に実施ことはかなり難しい。本発表では、コンピュータを用いたTOEIC模擬試験を活用することにより、全学生を対象とした定期的な客観テストが、比較的少ない負担で実施可能であることを、弘前大学の事例に基づいて示す。同時に、模擬試験実施に伴う問題点やその改善方法についても紹介する。
登壇者内海 淳(弘前大学人文学部)
8